ゴールドウインは12月12日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のシグネチャーパビリオン「Better Co Being®(命を響き合わせる)」に向けて制作したアテンダントスタッフのユニフォームを披露した。
この日行われた記者発表の会場には、同社の常務執行役員の新井元さん(写真上右)、事業プロデューサーでありシグネチャーパビリオンを手がける、慶応義塾大学医学部教授の宮田裕章さん(写真上左)、公式ユニフォームのデザインを手がけた「ユイマナカザト(YUIMA NAKAZATO)」のデザイナー、中里唯馬さん(写真上中)が登壇。ユニフォームに対するそれぞれの想いを鼎談形式で発表した。
パビリオン名の「Better Co-Being®」は、現在に重きを置いた「Well-Being」のWellを、未来に向かうBetterに変えて「共に生きる」という意味の「Co-Being」と組み合わせた造語。混沌とした世の中で人々が手を取り合い、未来につながる持続可能性を考えることの重要性をその名前に込めた。
今回、ゴールドウインと中里さんが共同開発した公式ユニフォームは、パビリオンを訪れた人々が人と自然の関係性を考えられるようにデザインしたという。
シグネチャーパビリオンの「Better Co-Being®」は屋根も壁もない屋外スペースで、スタッフは雨の日も風の日も、真夏の炎天下でもゲストを案内する。中里さんはユニフォームをデザインするにあたり、会場となる大阪市の夢洲へ足を運び、その過酷な環境を体感した。
「過酷な環境の中で、衣服はどうあるべきか」という課題に対し、建築の代わりに衣服が人をプロテクトするという発想が生まれ、そのアイデアをクチュリエならではの技術で実現するデザインを提案した。
そうして生まれたユニフォームは、遮熱・遮断・通気性を意識しつつ、かつ適度なフォーマルさを表現する、機能性とデザイン性のバランスを意識したものに。
共布のウエストベルトや脇のドローストリングによって自分でシルエットを調整することができるため、体型を問わずにそれぞれの好みに応じて着こなすことができる。袖下に取り付けられたジップが特徴的なフード付きのシェルジャケットは、ジップを全て開けることで、ポンチョのようなシルエットに変形することも可能。
さらに腕部分をロールアップしノースリーブにすれば、真夏の急激な天候の変化に瞬時に対応することができる。
「服にはいろんな物語やメッセージがあるんです」と語る中里さん。着想の大きな源となったのは日本の着物だったそう。ルーズシルエットのロング丈のアウターは、着物のように性差を問わない仕様になっており、左右どちらの衿を上に重ねても良いように設計されている。
木漏れ日を表現したオリジナルのプリントは、AI技術を活用して一着ごとにランダムな柄を見せている点が特徴。生地は環境にかかる負荷を最小限減らすことができるデジタル捺染技術を用いて制作した。
今回のユニフォームを通じて、自然の魅力を再発見してほしいと語る宮田さん。自然を表現し環境に対応する服は、未来のファッションの一方向を示していた。
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