ディオール(DIOR)が、ウィメンズのクリエイティブディレクターを長年務めてきたマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)の退任を発表した。

LVMHプライズ 2024の授賞セレモニーにて。マリア・グラツィア・キウリ(中央)と、LVMHグループのクリエイティブディレクターたち。Photo : ©B.P.B. Paris
マリア・グラツィア・キウリは、ディオール初の女性クリエイティブディレクターとして、2016年よりウィメンズ部門のオートクチュール、プレタポルテ、アクセサリーを担当。今月27日に、生まれ故郷ローマで発表された2026年クルーズコレクションが最後のコレクションとなった。
歴代のクチュリエに敬意を払い、アーカイブからインスピレーションを得た現代女性のためのクリエイションを打ち出してきたキウリは、フェミニストとしての視点から女性アーティストとのコラボレーションに力を注いできたデザイナーでもある。ロマンティシズムに満ちた作風に加え、職人の手仕事を取り入れたコレクションは、多くの賛同者を集め、メゾンの目覚ましい成長に大きく貢献した。

ディオール 2026年クルーズコレクションより。 Photo : ©Adrien Dirand ©Fondazione Torlonia / courtesy of Dior
クリスチャン ディオール クチュール会長兼CEOのデルフィーヌ・アルノーは「マリア・グラツィア・キウリは、クリエイティブ ディレクターに着任して以来、フェミニストとしての視点と卓越した創造性、そしてムッシュ ディオールの精神に裏打ちされた素晴らしい仕事を成し遂げ、それによって非常に魅力的なコレクションを創り出すことに成功しました」と深い感謝の意を表している。
また、マリア・グラツィア・キウリは「9年の月日を経て、私はディオールを去りますが、このような素晴らしい機会を与えられたことを嬉しく思っています」と、振り返った。
「私を信頼してくださったアルノー氏と、支えてくれたデルフィーヌに感謝します。特に、私のチームとアトリエが成し遂げてくれた仕事に感謝しています。彼女たちの才能と専門知識のおかげで、世代をまたぐ女性アーティストたちとの親密な対話のなかで、女性のファッションにコミットするという私のビジョンを実現することができました。私たちは共に印象的な章を書き上げ、それを私は大変誇りに思っています。」
Text : B.P.B. Paris