朝ドラ「ブギウギ」に水城アユミ役で出演。今気になる、吉柳咲良さんって？ディーヴァスタイルのファッションシュート＆素顔に迫るインタビュー。後編

現在放送中のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」に、今週から物語を動かす若手歌手役、水城アユミ役で出演している吉柳咲良さん。ブレイク必至の気になる彼女を迎えて、ファッションシュート＆インタビューが実現！幼少期からダンスを習い、歌も大好きという吉柳さんが、3つのディーヴァスタイルをまとう前後編の記事をお届けします。キュートな魅力全開だった前編に続き、ドレスルックでの後編をどうぞ！

photographs : Jun Tsuchiya (B.P.B.) / hair & make up : KATO (TRON) / styling : Sho Furukawa / editing,interview & text : SO-EN

　Sparkle on the stage　

ミラーボールのように光り輝くシルバーのシークインドレスで、ステージで輝くディーヴァに変身。レイヤードに映えるレースのフェティッシュなレギンスをあわせて、ひと味違う着こなしに。

ドレス参考商品、レースレギンス ¥37,400 アキコアオキ／イヤリング ¥29,150 メルテッドポテト(ザ・フォーアイド)／ネックレス ¥27,640 ザエムジュエラーズトウキョウ／シューズ ¥25,300 センソ(ザ・ウォールショールーム)

　INTERVIEW WITH SAKURA KIRYUU　

とにかく暴れ狂いました（笑）。

——NHK連続テレビ小説「ブギウギ」で「ラッパと娘」を歌ったシーンは圧巻でした！撮影はどんなふうに進んだのでしょうか？

咲良：かなりスピード感のある撮影でした。現場は本当に温かくて、みなさんが一丸となっていましたし、何より楽しんで制作されていたので、変なプレッシャーも感じずにいられました。でも役が役だったので、どう表現するかは考えましたね。

水城アユミは、若さゆえに真っ直ぐで、周りの人がひやっとするような発言もしてしまう子。そういう性格が悪者のように見えなければいいなと思いながら演じていました。見た方がどういう感想を持ってくださるかとても楽しみなのですが、私には、アユミの強さや自分の夢に対する真っ直ぐな気持ちが眩しく映っていました。大人になればなるほど我慢することが増えて、自由がきかなくなる中で、ああいう芯の強さを持っている人には惹かれるものがあります。その強さがパフォーマンスに100%出ればこの場面は成立する、と考えていたので、とにかく暴れ狂いました（笑）。

趣里さん演じるスズ子さんが「ラッパと娘」を歌った時の動きをまねてみた部分もあります。アユミはスズ子さんに憧れているので、そういうものがちょっとずつ出てくるのかなと思ったんです。と同時に、大先輩のスズ子さんを歌手として対等にライバルとして見て「負けない」と戦っているようなところもあって。だからこそ、振りは作り込んだものでなく、パッションで体が動いちゃうみたいな即興性を大事にしました。

監督から言われたのは、音楽に憑依するような爆発力や、スズ子にケンカを売るような勢いがあったほうがいいから、自由に暴れてくれということです。だからこそその場のエネルギーを大事にして、撮ってくれているカメラマンさんや、入ってくださっているエキストラのみなさんをどれだけ驚かせることができるのか、感動させられるのかが勝負だなと思っていました。この人やばい！と思われるようにしよう、と（笑）。
あの「ラッパと娘」という歌自体も、心の底から湧き出る情熱がないと歌うことができないんだと痛感しました。

——稀有な経験でしたね。アユミを演じたことは、これからどんなふうに影響しそうでしょうか？

咲良：これまで、歌い方のテクニックを意識せず、感情の赴くまま歌うことがあまりなかったので、ものすごい快感でした。楽しかったですし、そのおかげで怖くなくなったんです。弾けることが楽しいと気づけたのは、大きかったです！

つけ襟 ¥30,800 フミエタナカ(ドール)／トップ ¥17,600、パンツ ¥15,180 ビームスクチュール (ビームス公式オンラインショップ)／ヘッドピース ¥56,000 ミユキキタハラ／シューズ ¥33,995 メリッサ (メリッサシューズジャパン)／ソックススタイリスト私物

——吉柳さんのTikTokをみていると、ダンスに合わせた表情管理が魅力的で引き込まれます。

咲良：嬉しいです！K-POPアイドルが好きなのですが、特に、表情管理が上手い人に惹かれるんですよね。曲にあった表現ができる人ってすごいなと思います。私がダンスを習っていた教室では、踊りながらリップシンクをしなければいけなかったんです。すると、自分が歌っているような感覚で踊るようになるので、自然と表情がつくようになって。それが上手くいくだけで、ダンスが数倍かっこよく見えるんだっていうことに気がついたので、普段から表情は意識しています。

——もうそれは「お芝居」の領域だとも思うのですが、だからこそ最初から俳優のお仕事も違和感なくできましたか？

咲良：最初はもちろん緊張したり慣れないこともありましたが、セリフを覚えることも、演じることも割とスッと体が受け入れたので、きっと、表現全般が好きなんですね。でも私、お芝居が一番苦手です（苦笑）。いつまでも納得することがなくて、自分の演技を見るのも苦手。自分の芝居に満足できたことがないからこそ、続けているのだと思います。「できた！」と自分で自分を認められるようになるまでは、お芝居は続けなきゃと思っています。でもきっとずっと満足できることはないとも思っています。

負の感情に強い自分を、強みにしていきたい。

——なるほど……。若い頃からキャリアを重ねてこられた豊かさの分、大変なこともたくさん乗り越えてこられたんじゃないかなと想像します。ハードルが高いことや辛いことはどのように克服されてきましたか？

咲良：乗り越えずにはやってこられなかったというか、そうするしかなかったというのが正直なところかもしれません。辛い感情が消えるわけではないし、それが楽しさに変わったこともないんです。辛いままやるしかなかったんですよね。　　

でも、終わってみれば「私、頑張ったな」と思えます。時間が解決してくれるので、辛くてもやってしまえばいい。自分の中には「やらない」とか「投げ出す」という選択肢はないし、それが一番嫌いなので、辛くてもとりあえず最後まではやると決めています。

——この4月で20歳に。「ブギウギ」のご出演をその予兆として、10代の頃とは異なる新たな挑戦の年にもなりそうですね。これからどんな表現者になっていきたいですか？

咲良：10代の頃、悩むことが多かったのですが、同じように悩んでいる10代の力になれたらいいなと感じます。多分、私は卑屈な考えをしてしまうほうで、ネガティブな感情と戦う機会が多かったんです。その分、他の人のネガティブな感情に寄り添える自信はあるので、誰かの助けになれるような表現ができたらいいなと思っています。

これから先も、私はずっと悩んでいくのだろうし、その悩みからは逃げないでいたい。負の感情に強い自分のことは嫌いじゃなくてむしろ受け入れているので、それを強みにしていきたいな。

Sakura Kiryuu 2004年生まれ、栃木県出身。『第41回ホリプロタレントスカウトキャラバンPURE GIRL2016』でグランプリを受賞し、芸能界デビュー。2017年7月から６年間、ミュージカル『ピーターパン』で10代目となる主役・ピーターパンを演じる。出演作に、映画『初恋ロスタイム』『劇場版君と世界が終わる日にFINAL』アニメ映画『天気の子』『かがみの孤城』（声の出演）など。初めての写真集『Only』が3月22日に発売。Instagram @kiryusakura_officical

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