
「ルミネ theよしもと」を会場に、吉本新喜劇との異色のコラボレーションを果たした2025年春夏、「浅草花やしき」を貸し切ってショーを行い、フィナーレではデザイナー久保嘉男がジェットコースターに乗って現れた2025年秋冬。それらに連なる今季、2026年春夏のヨシオクボは、Rakuten Fashion Week Tokyoのメイン会場である「渋谷ヒカリエ」のホールAをショーの舞台とした。
ヨシオクボなのにオーソドックスな場所でショーを? しかし会場内に入ると、眼前に広がっていたのは見慣れたランウェイではなく、ブレイキンのフロアとDJブースだった。
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Red Bull BC One Photography / Coz
レッドブルが主催するブレイキンの世界大会「Red Bull BC One」とのコラボレーションで発表された、ヨシオクボの2026年春夏コレクション。エクストリームスポーツから着想を得て、跳ねる、駆ける、回る、沈むなどの動作、そして人が静の状態であっても、第三の皮膚となるような衣服を追求したシーズンだという。
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ブランドが得意とする巧みな切り替えやギャザー、紐を用いた編みのテクニックを駆使しつつ、さらに今季は、エクストリームスポーツの激しい動きにも対応可能なパターンのギミックが随所に取り入れられた。パンツの股には三角形の隠しマチが入れられ、脚の可動域を確保。ジャケットも通常の袖付けではなく、袖下から脇にひと続きのパーツを入れて腕の動きに対応している。
実際、ショーの間にパフォーマンスを披露していたダンサーたちは、ヨシオクボの最新コレクションを着て数々の大技を決めていた。


ショーの前半で目を引いた、たくさんのパッチがつけられたブルゾンやトップ、パンツは、スポーツ選手がスポンサーのロゴをユニフォームにつけている様が着想源となったユニークなアイテム。この架空の企業ロゴの生地は、多色糸を織り込むことができるイタリアのジャカード織機を用いて制作されている。


ダブルラッセルに昇華転写プリントを施した、だまし絵的な視覚効果が楽しいアイテムも登場。このグラフィックは、踊る人をモチーフに生成AIでベースを制作したといい、ショーではダンサーのShigekixも着用していた。




プルオーバーやトラックパンツなどのスポーティなアイテムも、中心をずらすことで生まれる流れるようなドレープ、あるいは流線形の切り替えと量感によって、ファッションアイテムとしての美しさが生まれていたのが印象的。さらに、アロハシャツの草花や、有名なタバコのパッケージを思わせるデザインを手刺繍したショーピースも、コレクション全体にアクセントを加えていた。


スポーツウェアの機能美を咀嚼・昇華してファッションの楽しさや軽やかさと華麗に組み合わせるヨシオクボの手腕は、スポーツかモードか、エレガントかカジュアルかといった二元論的な世界の境界を溶かし、現代人に多様な衣服の選択肢を提示する。
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JFWO/INFAS.com/yoshiokubo
Runway Photography / Shun Mizuno
yoshiokubo
WEB:https://yoshiokubo.jp/
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