3月3日から9日間の日程で、2025-’26年秋冬パリ・ファッションウィークが開催され、およそ110のブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見ブランドやトピックスをご紹介します。

ヴァレンティノ(VALENTINO)のテーマは「LE MÉTA-THÉÂTRE DES INTIMITÉS(親密さのメタ劇場)」。“親密さ”の概念を問い直し、それをメタ劇場(演劇的な自己表現の空間)として再解釈したコレクションである。

「いかなる親密さも最終的に私たちを裸にすることはできず、どんなヴェールを引き裂いても真の自己の前に立たせることはないということを、私たちは知るべきでしょう」と、クリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ。パブリックな顔とプライベートな顔など、相反するものの境界線を曖昧にする試みでもあるのだとか。

「これを前提とし、私は公衆トイレを思い描きました。それは内と外、隠されるものと露わになるもの、パーソナルなものと集合的なもの、プライベートにされるものと共有されるもの、深層と表層というあらゆる二元性を中和し一時中断する、相反する要素が共存する場所なのです」

登場したのは、水玉、リボン、ラッフルなど、豊かな装飾をまとったシルエット。オートクチュールでも見られたアルルカン風(道化師の衣装に見られる菱形模様)のテキスタイルは、創業者ヴァレンティノ・カラヴァーニのアーカイブから引用された。


ネコやパンサーなどのアニマルモチーフ、バリエイションに富んだレースも特徴的。メゾンのコードを踏まえながら、ミケーレらしいバロックなスタイルが完成している。





















































































クリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ。
Courtesy of Valentino
Text:B.P.B. Paris