イリス ヴァン ヘルペンは、海のイメージで“生きた服”を表現。
2025-’26年秋冬オートクチュールウィークより

2025-’26年秋冬オートクチュールウィークが7月7日から4日間の日程で開催。
今シーズンの必見のショーや気になるトピックスをご紹介します。

イリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)のテーマは「Sympoiesis(シンポイエーシス)」。インスピレーション源となったのは、海洋のエコシステムと、地球全体をひとつの生命体としてとらえるガイア理論である。

イリスが敬愛する舞踊家のロイ・フラーの動きからも着想を得ていて、ショーは光のアーティスト、ニック・ファースタンド(Nick Verstand)とダンサーの刈谷円香によるコラボ・パフォーマンスで開幕した。

コレクションでは、海の動きや有機体を流動的なフォルムで表現。極薄のオーガンジーやテクニカル素材を駆使し、自然と共鳴し“生きた存在”となる服がイメージされた。不死のクラゲや深海の生態系を彷彿とさせるシルエットもある。

ADのあとに記事が続きます

ADのあとに記事が続きます

また、テクノロジーはこのメゾンにとって欠かせない要素。今回はバイオデザイナーのクリス・ベラミー(Chris Bellamy)との共同制作により、発光藻類から作られた光るマテリアルがドレスに採用された。さらに、キネティックアーティストであるケイシー・カラン(Casey Curran)の動く羽を作品に取り付け、生命のリズムを可視化。スパイバー社(Spiber)のブリュード・プロテイン素材を用いた有機的なブライダルドレスも印象深かった。

自然の神秘のパワーと対話しているかのような幻想的なコレクションである。

Photos : Courtesy of IRIS VAN HERPEN
Text:B.P.B. Paris

RELATED POST

ウォルター ヴァン ベイレンドンクからのメッセージは、“挑戦を恐れないで”。2025-’...
映画「ハリー・ポッター」シリーズ衣装デザイナー取材、スタジオツアー東京特別企画「...
KIDILL(キディル)の末安弘明と中央町戦術工芸が鼎談『抗い続けるパンクのスピリット...
なぜ、いま「リビング・モダニティ」なのか?『リビング・モダニティ 住まいの実験192...
パーソンズ・パリの卒展で、大森美希先生に聞く「削ぎ落とすことが大切」
ウォルター ヴァン ベイレンドンクは、懐かしさの中にポエジーを漂わせて。2026年春夏...
道枝駿佑さん(なにわ男子)、フリーン・サローチャ、ジャレッド・レトなどが来場!Va...
HARUNOBUMURATA(ハルノブムラタ)が希代の女性レーシングドライバーを着想源にエレガ...
MSML(エムエスエムエル)音楽から派生したファッション。新鮮に目に映る日常のスタイ...
PILLINGS(ピリングス)牧歌的なニットのイメージを覆しモードへと昇華させた2025-26秋冬...
yoshiokubo(ヨシオクボ)は「傑作」をテーマに、アウトドアの機能性とカッティングの...