ディオールのエスプリに宿る唯一性と真正性。
2024年春夏オートクチュールウィークより

2024.02.13

2024年春夏オートクチュールコレクションが1月22日から4日間の日程で開幕。
今シーズンの必見のショーや気になるトピックスをご紹介します。

©Laura Sciacovelli

ディオール(DIOR)が2024年春夏オートクチュールコレクションを発表しました。

ショー会場を彩るのは、アーティストのイザベラ・デュクロ(Isabella Ducrot)が手がけたインスタレーション『ビッグ アウラ(Big Aura)』。壁に配置された23着の特大ドレスは、デュクロが研究したオスマン帝国のスルタンたちの衣服がテーマになったそうです。

“アウラ”とは、ドイツの思想家であるヴァルター・ベンヤミンが提唱した芸術作品の唯一性と真正性を反映した概念。クリエイティブディレクターのマリア・グラツィア・キウリは、“ビッグ アウラ”はオートクチュールのすべての作品に宿るものであると解説しています。

そんな“アウラ”を取り上げたのが、今回のコレクションです。重要な役割を果たしたモアレ生地の作品群は、クリスチャン・ディオールが1952年秋冬オートクチュールでデザインした“ラ シガール(La Cigale)”ドレスから着想されました。美しい波模様と光沢感が特徴のモアレは、オートクチュールに欠かせない素材です。

© Mélinda Triana / © Atelier Benaud@museetissuslyon

アイコニックなシルエットもシーズンごとに再解釈されています。ムッシュ・ディオールの最愛の妹カトリーヌ・ディオールに捧げられた“ミス ディオール(Miss Dior)”ドレスもその一つで、今回は鮮やかなイエローのモアレに、50以上の花々が手刺繍されました。

Mélinda Triana / @jatoembroidery #jato1991

白地のブラウスに施されたジェット(黒いビーズ)刺繍は、インドのチャーナキア工房の職人によるもの。グラフィックでデリケートな花のモチーフが、驚くほど精巧なテクニックで表現されています。

© Mélinda Triana / @Atelier Safrane Cortambert ; Chanakya / Chanakya School of Craft

ディオールは、今シーズンを象徴する美しいモアレ生地やオートクチュールの刺繍技術を紹介する動画も公開。日本語翻訳はありませんが、一見の価値ありです。ぜひチェックしてみて。

Text:B.P.B. Paris

RELATED POST

パリ、東京、大阪—3都市の美術館のコレクションが集結。TRIO展のチケットをプレゼント...
AMNI(アムニ)が新作コレクション発売を記念し、アトリエショップを期間限定でオープ...
犬とその家族のための帽子ブランド「ルルン」が ローンチ&ショップをオープン