
2025年3月9日(日)、文化服装学院のファッション工科専門課程とファッション工芸専門課程の学生によるファッションショーと展示「individual」が、Rakuten Fashion Week TOKYO 2025年秋冬の関連イベントとしてラフォーレ原宿で開催された。
参加したのは、学内選考を勝ち抜いた6ブランドの学生たち。うち5ブランドがランウェイショーを開催し、1ブランドが展示で作品を発表した。「装苑ONLINE」では、前後編に分けて学生たちのクリエイションにフォーカス。前編では、ショーや展示の舞台裏とショーレポートを、後編では、将来を期待される6ブランドを手がけるデザイナーたちへのインタビューをお届けします。
photographs : Jun Tsuchiya, Hiromu Watanabe (B.P.B.)
学生ブランドのショー&
展示「individual」の舞台裏
09:00-11:00 「山野美容専門学校」でヘア&メイク

ショーの準備はヘア&メイクからスタート。山野美容専門学校の学生29名が、ショーを行う5名の学生のヘア&メイクを担当。文化服装学院の学生デザイナーが提案したイメージをもとに、山野美容専門学校の学生が具体的なプランに落とし込んだ。
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HINAE KATSURA’S HAIR & MAKE UP



桂 日向映さんの作品のヘア&メイク中。シールやビジューをポイントに、青みのあるピンク色を用いたメイクと、長い三つ編みのヘアが、少女性を演出する。

桂さんのショーより。
KYOMA SAKAKIHARA’S HAIR& MAKE UP




榊原叶真さんの作品のヘア&メイク中。ダークカラーのパレットで構成されたメイクと、タイトなヘアでシックなムードを創出した。女性モデルのヘアには、1930年代に流行したフィンガーウェーブが取り入れられ、エレガントなムードも。銀箔を印象的に用い、ダークトーンの中に輝きを加味した。

榊原さんのショーより。
HARUKI TANAKA’S HAIR & MAKE UP



田中陽輝さん作品のヘア&メイク中。美しく仕上げられたナチュラルメイクが特徴で、ヘアはあえて無造作に、やや乱れたムードを取り入れた。アレキサンダー マックイーンの1999年春夏コレクション「No.13」のヘア&メイクもイメージに。

ヘア&メイクをチェックする田中さん。
AIHA MORI’S HAIR & MAKE UP



森 愛葉さんによる「apartmentstory 201」ヘア&メイク中の様子。きれいな色彩を用いたカラーメイクやそばかす風メイク、森さんが集めたボタンやリボンなどを組み合わせたヘアスタイルや、ヘッドピースとマッチする温かみのあるウェーブヘアが特徴に。

ヘア&メイクの出来上がりを確認する森さん。
KAKERU NISHIWAKI’S HAIR & MAKE UP



西脇 駆さんによる「Deadbooy」は、テーマであるゾンビを表現する、人ならざるものの雰囲気を醸すメイクが特徴。目元と口元をパンキッシュなムードのダークトーンに揃え、白いつけまつ毛をアクセントに。リップにつけたスタッズのようなアクセサリーもコレクションの世界観を現わすもの。

11:00 展示準備スタート
ショーではなく展示で作品を見せた、Koki Nishigayaの西ケ谷紘希さんが会場入りして準備を進めていく。オリジナルテキスタイルの制作過程を伝える写真やアイディアスケッチを、丁寧にディスプレイ。



デザイナーの西ケ谷さん。

14:00 ショー組が会場「ラフォーレミュージアム」へ!ドキドキのモデルフィッティング。

ヘア&メイクを終え、一同はショー会場となったラフォーレ原宿内「ラフォーレミュージアム」へ。ヘア&メイクをした状態でのフィッティングはさることながら、フィッティング自体が初めてのブランドもあり、高揚感と緊張感が漂う。モデルのキャラクターとヘア&メイク、ルックの相性はショーの完成度を左右する大切なポイント。フィッティング後、デザイナー達は服やヘア&メイクの調整を行なった。

フィッティング中の桂さん。

森さんのブランドは、このルックで腕にラインストーンの絆創膏を施すメイクを行った。

田中さんのフィッティングの様子。文化服装学院の先生達も会場入りし、最終調整をサポート。

西脇さんのブランド。着替えを終え、モデル達と会話する中で着用アイテムの特徴を伝える。

榊原さん。丁寧にフィッティングを行う。
14:30 真剣そのもの、リハーサル開始

本番同様に音楽をかけ、モデルウォーキングをするリハーサルがスタート。各デザイナーは、演出を担当したKuRoKoの斉藤隆城さん、菊池啓介さんとともに客席でショーをチェック。本番中、デザイナーはステージ裏にいるため、表からショーを見るのはこれが最初で最後の機会となる。どのデザイナーも皆、ショーを行うことの感慨を抱きながら悔いのないよう細かな部分までチェックし、時には斉藤さん、菊池さんと話し合って調整を行っていた。KuRoKoは国内外で数々のファッションショーやイベントの演出・プロデュースを行う会社。プロの演出家との仕事も、学生デザイナーにとっては貴重な経験となった。


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