1月21日から6日間の日程で、2025-’26年秋冬パリ・メンズファッションウィークが開催され、約70ブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見のショーや話題のトピックスをご紹介します。
オーラリー（AURALEE）がぶれずに発信するのは、日々の生活に寄り添う気負わない服。上質な素材とミニマルなラインの洗練されたデザインですが、どこかほっとさせる雰囲気を持っています。
今シーズンについてデザイナーの岩井良太さんは「色々な人の個性を見せるコレクションにしたかった」といいます。着想源はひとりの友人でした。
「（その友人は）ある日には洗練されたスーツを着こなし、また別の日には着古したTシャツを着ていました。どちらも違和感なく、彼らしさを放っていました。彼の飾らない個性に心を打たれたのです。その上品で成熟したスタイルには、子供時代やティーンの頃から大切にしてきた洋服が、今も彼の一部として息づいています。それらの洋服を見たときに、彼の歴史を垣間見たようで、とても温かい気持ちになりました」
そこから発想されたのは、縮んでしまったようなカーティガンやパーカー、懐かしい柄のセーターなど、愛着を感じさせるアイテム。現代的なダブルブレストのコートやテーラードスーツにも、そうしたピースを合わせることで、それぞれのパーソナルなスタイルを引き出しています。
「お気に入りの古いTシャツが、ラグジュアリーなカシミアコートと同じくらい重要な意味を持つような、過去と現在が調和して未来の大切な宝物へと繋がる、新しい価値観を提案しています」
色調は、このブランドらしいニュートラルカラーがベースになっていますが、差し色になった赤やブルーが鮮やか。さりげなくも主張するハイセンスな小物がそろっていので、こちらもぜひチェックしてみて。
Photos : LUCA TOMBOLINI (runway), LOCAL ARTIST (behind the scenes) / Courtesy of AURALEE
Text：B.P.B. Paris
