1月20日から6日間の日程で、2026-’27年秋冬パリ・メンズファッションウィークが開催され、66ブランドが公式スケジュールで新作を発表。注目のコレクションやトピックスをご紹介します。

イッセイ ミヤケのメンズブランド、アイム メン(IM MEN)のテーマは「FORMLESS FORM(形なき形)」。ショー会場は、中世に建てられたシトー会修道士のコレージュ(学院・学寮)だった建物です。
今回の試みは「ちゃんとしている」を一枚の布で表すこと。既存の形や型から離れ、佇まいの奥に潜む本質を探求したコレクションです。

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「世界のフォーマルウェアには色々な型があり、その型を通して、意思や態度を表しているのだと思います」と、デザインチームの河原 遷さん。
「ただ、よくよく観察してみると、日本語でいう“ちゃんとしている”という空気感を出しているのは、実はファブリックの質感や色、その布が体とどういう関係性にあるのか、というエレメントだと考えました。そこから今回は、いわゆる既存の型を削ぎ落としていって、それらのエレメントだけをうまく残すことで、一枚の布でも“ちゃんとしている服”を作りたいと思ったんです」


「いかにメンズのテーラリングをシンプルに表現できるか」。その答えは、素材とひたすら向き合い、フォルムを引き出すことにありました。
代表的なルックは、最初に登場した彫刻的なフォルムのシリーズ「CLAY」。熱収縮するリブ編みのような組織と平坦な組織が一枚の布に共存するという独自開発のテキスタイルが使われています。伸縮性があることで動きやすさと快適な着心地も実現されました。

凝った素材は多岐に渡り、反物ごとに染料をかけ流して染めたウール生地や人の手の痕跡を感じさせる絣織りのシリーズ、ダウンのような暖かさをもつ紐状の中綿を使ったアウターなどの提案も。

ショーは、これまでの躍動感ある演出から一変し、静けさの中に厳かなムードさえ感じさせました。そんな中、ひときわ目を引いたのは鮮やかな色彩。
「一日の始まりや終わりに、そういう気持ち(ちゃんとした気持ち)になることが多いので、今回は朝焼けや夕焼けを色で表現してみようと。ショーの演出も、月明かりから太陽が上がっていくまでのようなイメージにしたいと思って。今回はシンプルであることを大事にしていて、曲や演出もできるだけ何もしない、というコンセプトで作っていきました」

「三宅さんが培ってきたものづくりは多面的です。ワイルドだったり、繊細で美しかったり。でも、その根源にあるのは、やはり一枚の布です。そこから生まれる変化の豊かさを、皆さんに伝えていきたいと思っています」
持ち帰り用のコーヒーカップから着想された小型バッグ「TO GO」、しなやかな天然皮革にプリーツを施したショルダー「LEATHER PLEATS」など、新作の小物にもご注目を。


ショー動画はこちらから。











































デザインチームを率いる3人。左から、板倉裕樹さん、河原 遷さん、小林信隆さん。
Photo : Chieko HAMA
Photos (Runway) : Frédérique Dumoulin-Bonnet / © ISSEY MIYAKE INC.
Text:B.P.B. Paris