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Kis-My-Ft2の純熟。
15年目の“おめでとう”と“ありがとう”が溢れる『Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2025 MAGFACT』

2025.08.31

ボタニカル柄が浮かび上がる
洗練されたシックなオープニング衣装

ここでは、Kis-My-Ft2とファンにとって特別な日でもある8月10日に開催された横浜アリーナ公演を、玉森裕太が手がけた衣装を中心に振り返ります。

大切なこの日をコンサートという最も大切な場で迎えられることへの喜びの気持ちはメンバーだけでなくファンの方々も同じ。その“おめでとう”と”ありがとう”の気持ちにあふれる会場では、メンバーを迎える準備も万端に。するとはじまりの合図となるオープニング映像がスタート。ランウェイをクールに歩むようなメンバーの姿が次々に映し出されて、あたかもファッションショー会場を訪れたような気持ちにもなる。遂に幕が上がると、メインステージの上から巨大なゴンドラに乗ったメンバーたちの姿が現れた。

オープニングでまとっていたのはベージュのセットアップ。インナーにはVに開いた胸もとがセクシーな黒のベストを合わせ、足もとも黒のシューズ。ベージュ×黒のシックでスタイリッシュな装い。身ごろ、袖、パンツにレーザーカットで描かれたボタニカル模様が浮かび上がってくるよう。要素を足すのではなくあえて引き、オープニング衣装としてはシンプルなのかもしれないが、洗練されていてお洒落。ゆえに成熟した大人の男性でなければ着こなせないだろう。一見、そろいに見えるが、シングルジャケット、ダブルジャケット、ライダースジャケット、メンバーごとにその形に少しずつ異なりを見せている。

彼らの“今の格好良さ”を見せるかのようなオープニング衣装を身にまとって1曲目の「Curtain call」から続くダンスナンバーで会場を魅了していく。

この秋冬のファッショントレンドを感じる“ノスタルジック”なムード

2着目の衣装は、2025-26秋冬コレクションのファッションキーワードが感じられる、トレンドを先取りするような一着。この秋冬のどこか懐かしさを感じるような“ノスタルジック”なムードを、トップに散りばめられた立体的な小花のモチーフやリボンに託し、注目の“ニット”も取り入れている。ファッションをこよなく愛する玉森らしく、トレンドをキャッチしたうえでKis-My-Ft2らしく、そしてメンバーそれぞれに似合うようなスタイルへと昇華している。柔らかなカラートーンにやさしさがにじんでいて、メロウな曲にもふさわしく、心がじわじわと癒されていくよう。

途中、嬉しいサプライズゲスト、サンドウィッチマンの2人も登場!特別にショートコントも披露し、互いの素敵な関係性に観客も大喜び。会場はあたたかで楽しいムードに包まれていった。
さらに、ホットなサマーチューンの新曲「A CHA CHA CHA」が初めて披露され、まさにお祭りムード一色に。

モード感全開!
フィナーレを飾るスペシャルピース

メンバーのユニット曲では、宮田玉森が黒の衣装でシャープでキレのあるダンスで魅了し、千賀横尾藤ヶ谷はカラフルでキラキラでレトロなスーツに身を包み、惜しみなくチャーミングな魅力を放ち、二階堂は番組『ニカゲーム』とのコラボレーションによるコーナーで笑いをさらった。

そしてライブもいよいよ終盤へ。様々な音色の楽曲とともに幾重の姿を見せてきた彼らだが、それまでのノスタルジックなムードから一転。まとっていたのは驚くほどモード感たっぷりの衣装。

千賀は、スリーブレスでミニマルな真っ白のセットアップ。その表面には繊細なチュールがあしらわれている。宮田俊哉はブラックのドレスアップスタイルのセットアップで、ドット柄のようにパールが散りばめられた。そのジャケットの裾にはレースのフリルがのぞいている。横尾渉はラインが効いたシンメトリーデザインのセットアップでパンツのオーバースカートがダイナミックに広がる。藤ヶ谷太輔は、白く長いリボンタイのついたシャツにショート丈のジャケットとデニムパンツで、ショート丈のジャケットはコンパクトながらも立体的な素材とビジューの装飾でエレガントな存在感で目を引く。玉森裕太はインパクトのある朱赤のワントーンスタイルで、ウエストの長く垂れたリボンがふわりと揺れてそのたびに余韻を残す。二階堂高嗣は、ゴールドのライダースジャケットのベストにワイドパンツをあわせ白いオーバースカートが翻る。その様相は華やかで力強い。

いよいよ本編のラストソング「CHEAT」。その世界に引き込まれていたその時、メンバーがオープニング映像から飛び出してきたかのように登場。ステージをランウェイに見立てて、極めてクールにメンバーたちが一人、また一人と闊歩する。それまでの衣装に上着を重ねると「CHEAT」の衣装へと変身してランウェイに現れるという仕掛けだ。

千賀はファーのマント付きジャケットで華やかに、宮田はラバーズブルーのマントでイメージをがらりと変え、横尾のパープルのジャケットで和のニュアンスを内包し、藤ヶ谷はツイードのロングコートとチュールのオーバースカートでロマンティックさをたずさえ、玉森は全面がティアードフリルになっている変形トレンチで鮮麗な佇まいへと変化し、二階堂は羽織ったMA-1に大輪のバラを咲かせた。

上着一枚でコレクションピースのような迫力に。衣装を手がけた玉森の、ファッションと衣装への情熱がまさに花開いたような一着でもある。メンバー全員の装いにはメンズらしさとフェミニンな要素が見事に融合されていて、今回のステージで、多彩な顔と幾重の姿を見せ、新たなことにもチャレンジし続けるKis-My-Ft2らしくもあり、彼らの“現在”に重なった。

photographs: Norifumi Fukuda(B.P.B.)
Coding : Akari Iwanami


Kis-My-Ft2
公式サイト:Kis-My-Ft2|MENT RECORDING
X:@KMF2_0810MENT
YouTube:@KisMyFt2
TikTok:@kismyft2_mentrecording

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