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【もっと知りたい!フランスの田舎のミュージアム ④】
モネが描いた大聖堂が見守る街 / ルーアン編(後半)

フランスの地方には、意外と知られていないステキなミュージアムがいっぱい。
その土地に根づいた伝統工芸、アート、モードと共に、町の魅力も発見してみて。

ルーアン・リーヴ・ドロワット駅。

ノルマンディー地方の古都ルーアンへはパリから電車で1時間半。到着するのはルーアン・リーヴ・ドロワット駅、アールヌーボー様式の駅舎です。正面右に高くそびえる時計塔は街の中心からも見え、旅行者の道標にもなっています。

駅から徒歩10分足らずで最初の見どころ「ルーアン美術館」に。

「ルーアン美術館(Musée des Beaux-Arts de Rouen)」。

ここで見逃したくないのが印象派を代表する画家、クロード・モネ(1840-1926)の「ルーアン大聖堂、扉口とアルバーヌの塔、曇天」。

Claude Monet “La Cathédrale de Rouen. Le Portail et la tour d’Albane. Temps gris”1894年

他にもシスレー、ルノワール、ピサノなどもあり、フランスで第2位の印象派コレクションを誇る美術館です。しかし、なんと入場無料!嬉しい驚きですね。

ではいざ、実物のルーアン大聖堂へGo ! ノルマンディー独特の木組みの家々の街並みが続きます。

かなり歪んでいますが地震が無いので大丈夫。

正式名はカテドラル・ノートルダム・ド・ルーアン(ルーアンのノートルダム大聖堂)。約500年の年月を経て、1506年に完成したゴシック様式の大聖堂です。

モネは晴天の日も曇りの日もこの大聖堂を描き続け、様々な光をまとった姿を連作で残しています。実際に訪れる時に大聖堂がどんな表情をしているのか、楽しみですね。撮影をした日は晴れ。朝、昼、夕刻と、モネのように一日中眺めていたい美しい教会です。

さて、この街のもう一人の主人公ジャンヌ・ダルクの教会へ向かいましょう。

「ジャンヌ・ダルク教会」。独創的な屋根は、ひっくり返ったバイキングの船がイメージされています。

フランスとイギリスが戦った100年戦争。その際にフランスの危機を救ったのがジャンヌ・ダルクです。幼い頃からキリスト教を熱心に信じていた彼女は、神の声に従いフランス軍を一旦は勝利に導きます。しかし、イギリス軍の捕虜となり異端者として、当時イギリスが支配していたルーアンで火刑に処せられ終焉を迎えました。

19歳だったジャンヌ・ダルクの像(左)と彼女が火炙りにされた場所に立つ十字架。

後にジャンヌはフランスにおいて名誉を回復し、1920年にキリスト教徒の聖人になります。

こちらはジャンヌ・ダルク教会に隣接する市場です。

市場は地元の人たちの台所。りんご、ハート型のチーズや量り売りのバターはノルマンディーの特産品。

少しお腹が空いてきましたね。やはりここではガレット(そば粉のクレープ)をいただきましょう。

有名なクレープリー「ラ・レガリエール」。

素朴な食器でいただくガレットとサラダはトレボン(とっても美味しい)!シードル(りんごの発泡酒)も一緒にどうぞ。

最後は有名な16世紀の時計台とその周辺を散策しましょう。

第二次世界大戦の戦禍で傷ついたルーアンですが、名所の時計台の周りは難を逃れ、今も中世の雰囲気が残っています。

時計台の横にあるお花屋さん。

パリからの電車も本数が多く、徒歩で回れる場所に見どころがあるルーアン。是非、訪れたい町の一つです。

「ルーアン美術館」オフィシャルサイト(仏語):https://mbarouen.fr/fr

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Photographs & Text:濱 千恵子 Chieko Hama