【もっと知りたい!フランスの田舎のミュージアム ④】
サーカスの衣装にフォーカス / ルーアン編(前半)

フランスの地方には、意外と知られていないステキなミュージアムがいっぱい。その土地に根づいた伝統工芸、アート、モードと共に、町の魅力も発見してみて。

「サーカスと曲芸師:光の衣装をまとって」より。

Musée de la corderie vallois – Rouen
コルドゥリー・ヴァロワ博物館 – ルーアン

ノルマンディ地方のルーアンは、芸術と文化の都。現在、この町の4つのミュージアムで、サーカスと曲芸師をテーマにした特別展が同時開催されています。

その中のひとつ「サーカスと曲芸師:光の衣装をまとって(Cirque et Saltimbanques : En Habits de Lumière)」は、サーカス団の様々なコスチュームにフォーカスした展覧会。開催地は都心から離れた田舎にある「コルドゥリー・ヴァロワ産業博物館(Musée Industriel de la Corderie Vallois )」です。

「コルドゥリー・ヴァロワ産業博物館」。

サーカスといえば、空中ブランコ、綱渡り、ピエロの曲芸など、技を磨いた演者たちのパフォーマンスに子供だけでなく大人もわくわくする国民的娯楽。フランスでは舞台芸術としても認められていて、プロを育成するための国立サーカス学校も存在するほど。今展で紹介するのは、そんなサーカスに魅了されたジャンヌ=イヴォンヌとジェラール・ボルグ夫妻(Jeanne-Yvonne&Gérard Borg)の個人コレクションです。

1960年代初期のものと思われる席の値段表。5段階に分かれていて、当時の映画の料金が約2NFだったので、一番安い席でもかなり高額。

リングマスターの衣装。中央はフランス、両端はアメリカのもので、アメリカのほうが派手な衣装が多いのだそう。

団長を意味するリングマスターの衣装から始まる館内は、曲馬、アクロバット、猛獣使い、ピエロと、演目別に衣装が並べられ、デザイン画、ポスター、楽器、ミニチュア模型なども展示。まるでサーカス小屋に迷い込んだかのような光景が広がります。

サーカス団のミニチュア模型。コレクターのボルグ氏のお手製とのことで、サーカスへのパッションがひしひしと伝わってきます。

また、世界に名高いアメリカのサーカス団「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー(Ringling Bros. and Barnum & Bailey)」やフランスのサーカス団「ピンダー(Pinder)」「グリュス(Gruss)」「ブグリオンヌ(Bouglione)」の歴史にも触れ、著名パフォーマーの人物像を解説。スポットを浴び大観衆に夢を与える彼らの舞台裏にも迫ります。

リングマスター、司会者、案内係の衣装。「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー」(左端)、「ピンダー」(左から2番目)、カリフォルニアの「ヴァーガス」(右から2番目)などの衣装が並びます。

ミュージシャンや案内係の帽子。

「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー」のパンプレット。

写真上:曲馬のコーナー。下左:豪華な馬の衣装も。下右:馬の調教師ジャネット・ウィリアムスが、馬とヒョウの出し物で着用したクレオパトラの衣装。サーカス一家に生まれた彼女の最初の夫は、猛獣使いでした。

写真上:衣装のデザイン画。下左:左のドレスはコスチュームデザイナーのエディ・ジョー・スターによるもの。エディは「ヴァーガス」のほか、パリの「ムーラン・ルージュ」や「フォリー・ベルジェール」の衣装も手がけていました。右のスーツはメキシコで最も歴史があるサーカス団「アタイデ」の衣装。下右:犬の調教師の衣装。

「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー」のゾウの装飾品。同サーカス団は地上最高のパフォーマンス集団と言われていましたが、動物愛護団体などからの批判を受け、2016年にゾウのショーを中止。それが興行の痛手になり、翌年、146年の歴史に幕を下ろしました。

空中ブランコや綱渡りといったアクロバットのパフォーマーの衣装。軽く動きやすいデザインになっています。

ピエロの衣装。スパンコールが刺繍された華やかなものが多く、中には10キロもの重さがある衣装も。

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