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奥平大兼のジャケットマスターへの道! 
vol.1 パターン編

2023.12.08

今回、パターンを習うジャケットは、全28パーツ。そのすべてのパターンを宮原さんが手で引くところから、サイのジャケットの制作が始まります。

完成したパターンを全て切り出すと、こんなにたくさんのパーツになる。

線を引く練習

宮原さんはDカーブルーラーなどの曲線定規を使わず直線定規とフリーハンドで曲線を引くため、まずは基本的な線の引き方を教わります。長年の経験に基づく技術を持った人だけが引ける曲線を目の当たりにして、奥平さんは驚きと感動でいっぱい。

直線定規を少しずつずらしながら、曲線にしていきます。宮原さんはスムーズに引きますが、これがとても難しい……!

 Process1  基準線を引く 

原型を使わないパターンを引くため、基準線を引くところから。ここがズレてしまうと、後が大変!「まっすぐ、慎重に」のアドバイスどおり、奥平さんも慎重に線を引きます。

 Process2  後ろ身頃のパターン 

基準線を引いたら、いよいよ後ろ身頃の作図へ。背中心から引きはじめ、袖下の鎌深線、衿ぐり、肩線、アームホール、ウエストライン……と順に線を引いていきます。中でも難しいのは、微妙なカーブを要する衿ぐりやウエストライン。また、サイのジャケットの特徴でもある、ゆるやかな裾のひだ=エドワーディアンドレープが入るように、裾まで作図。地の目線や合印を入れたら完成です。

エドワーディアンドレープ

線をまっすぐ、慎重に引く。

衿ぐりから肩にかけての微妙なカーブも難関!

宮原さんが引いた後ろ身頃のパターン。流麗な線に匠の技が。

師匠(宮原さん)の姿をまねて線を引く奥平さんは、無言で熱中。

COLUMN 
奥平さんとファッション

中学1年生の頃からファッションに興味を持ち始めたという奥平さん。コレクションを見たり、お店でショップスタッフに話を聞いたりして自分の服を選ぶだけでなく、着たい服を作るためにリメイクも行ってきた。一時は友人が着なくなった服を預かり、リメイクして本人にプレゼントしていたことも。洋裁は一緒に住んでいた祖母から教わり、祖母譲りのミシンを今も大切に使っている。私物のノートには、歴史服のスケッチや、オリジナルのデザイン画が収められていた。好きなファッションデザイナーはジョナサン・アンダーソンとキコ・コスタディノフで、普段よく着るのは古着。今回の撮影の服も、私服の古着をセルフスタイリングしています。左の写真は、ビスチェのデザイン画が描かれた、私物のスケッチブック。

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