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HAENGNAE(ヘンネ)/アンナ・チョイ

アンナ・チョイさんインタビュー

0→1を生み出す人になるために

 オートクチュール技法を駆使した意匠を、日本の職人技で日常着に昇華した服。「強きロマンチスト」をコンセプトに掲げるヘンネのデザイナー、アンナ・チョイさんは4年制大学在学中の19歳の時にファッションの道を志し、ニューヨークへ留学。2年半学んだ後、文化服装学院のファッション工科基礎科に入学した。

  「ニューヨークではデザインの基礎と英語を同時に勉強しました。海外のデザイナー教育は、縫製をその専門家に託すため、勉強の範囲はパターンまでが基本で、縫製は学びません。でも私は自分の手で0から1を生み出したかった。そこで縫製を学べる学校を調べ、文化に入りました。文化の授業は、すべて今に生きています。質問すれば授業外でも先生方は時間を作ってくれましたし、別学科の先生から織りやデジタルプリントを習ったことも。文化学園国際交流センターでは、海外コンテスト参加者のポートフォリオを見せてもらいました。フィリップ・リムの特別講義も印象深いですね。得意分野を持った同級生も多く、絵がうまい友人にデザイン画を教わったこともありました」

文化服装学院生時代
学科を超えて技術やデザインスキルを積極的に学ぶ。課題はすべてAをとる気概で取り組み、作品撮りにも力を入れた。インターンも経験。

学生時代からプロのフォトグラファーやヘア&メイクアーティストなどと作品撮りを行っていた。これは、その写真などをまとめたファイル。

 「家族に勉強の成果を見てもらえるかも」と応募した地元・神戸で開催の神戸ファッションコンテストでみごと特選を受賞し、副賞でノッティンガム・トレント大学へ約8か月間留学。

 「ノッティンガムでは、先生からの拒否とダメ出しの日々。文化とは真逆の教育の中で、新しい自分のスタイルができ上がりました。そこでも、縫製はほぼ自分で行っていました。今もブランドのサンプルは、ここぞという部分で自分の手を動かします。形にする訓練をひたすらしてきたことで、仕様上・縫製上のリスクヘッジも冒険もできるんです。文化は、自分の行動次第でなんでも学べる場所。今もその時の気持ちを忘れず、常に自分の可能性を広げてブランドとともに成長していきたいです。これからはフィジカルに世界観を表現できる場を持ち、展開を広げていけたらいいなと思っています」

2023SS

シルクスカーフ¥44,000

ニットオールインワン¥88,000

レースのボディスーツ ¥41,800 ヘンネ(ヘンネ カスタマーサポート)

Chapter 04は、ヘンネの「リゾートコレクション」。心地いい太陽の光や海のきらめきへの憧憬を込めて、撥水・防水のコート地のボリュームドレスやニットのオールインワン、レースのボディスーツやクラシカルなスイムウエアなどがラインアップ。1枚ずつ手捺染で制作した大判のシルクスカーフは裏も美しく、洗濯機でホームケアも可能なアイテム。

photographs: Jun Tsuchiya (B.P.B.)

Anna Choi
1992年生まれ。韓国国籍を持ち日本に生まれる。2018年、文化服装学院アパレルデザイン科卒業。卒業後、特待生としてノッティンガム・トレント大学へ留学。帰国後、’21-’22年秋冬よりブランドをスタート。
WEB:https://haengnae.com/
Instagram:@haengnae_official  

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