BEAMS(ビームス)
1976年、原宿に創業。アメリカンライフショップとしてスタートし、現在もファッション、雑貨、カルチャー、飲食などをトータルに展開。日本におけるファッションムーブメントの仕掛け人的存在。WEB:https://www.beams.co.jp
ジャケット ユーズド、中に着たスウェット Generic Sporting Club、パンツ ベルナール ザンス、スカーフ ヴィンテージ、ベルト シャベツクリフ、靴 オールデン すべて本人私物
プレスチーフ
安武俊宏さん
アパレルで続いているのは、頭がいいだけではなく「服が好き」という熱量のある人。それがあれば、60歳まで洋服の仕事ができるはずです。
SCHEDULE ある仕事の一日
10:00 出社
一日中ミーティングのある時も、早朝から雑誌の撮影立ち合いの日も。
21:00 退勤
仕事の多くは会社のフリーデスクで。
今、できることは全部やろう
洋服が好きで、中学3年の頃には文化服装学院に行きたいと思っていました。ですが、いざ入学したら打ちのめされてしまって。地元では、服の知識もセンスも人並み以上を自負していたのに、文化にはもっとすごい人がたくさんいたんです。
自分のスタイルを持った人をスナップするカメラマンに撮影されている安武さん。右『サルトリアリスト』スコット・シューマン撮影 左2点『THIS GUY』ジェイミー・ファーガソン撮影
転機はそんなふうに悶々としていた1年生の冬。ある時、『装苑』でビームスの新店舗開店のニュースを見つけて行ってみたらすごくハマって、そのお店に通うように。翌年春、ビームスの新卒採用の面接試験には、そこで購入したシャツを着ていきました。当時、日本ではその1店舗にしか売っていないものだったので、3回の面接すべてでシャツについて突っ込まれました(笑)。晴れてビームスの内定が決まり、その後は「今、できることは全部やろう」と、学内すべてのショーに携わりました。卒業ショーでは企画長も経験し、卒業アルバムを作る有志の委員もしていました。この時にできたネットワークは、働く上で今も生きています。ファッション業界にいる文化の同級生と一緒に仕事ができることは喜びの一つ。学生のうちに学内の人脈を広げることがおすすめです!
Toshihiro Yasutake 1985年福岡生まれ、札幌育ち。文化服装学院スタイリスト科(現・ファッション流通科スタイリストコース)卒業。ファッション雑誌で活躍するスタイリストに憧れを持ち、スタイリスト科を選択。2005年、ビームスに入社後は、メンズドレスの売り場で販売職を7年半経験。ʼ12年にプレスになり、現在はメンズ・ウィメンズのプレスを統括するプレスチーフ。 Instagram:@toshihiro_yasutake
ニットトップ ¥20,900 エーケー ワン、スカート¥30,800 エッフェ ビームス、スリッポンサンダル¥35,200 カステラーノ(すべてデミルクス ビームス 新宿)
ウィメンズ部門プレス
目黒越子さん
ファッションは人々のライフスタイルを豊かにするかけがえのないもの。時代の変化やライフステージによって表現が変わる奥深い世界です。まずは好きなものを追いかけてみてくださいね。
SCHEDULE ある仕事の一日
06:30 起床。朝ごはんや支度の時間をゆっくりとる。
11:00 出社
サンプルリース対応、ミーティング、資料作成、撮影や撮影準備など。
18:00 事務仕事
21:00までに退社
シーズンの始まりのコーディネートを組む目黒さん。ブランドのイメージを方向づける大事な仕事。
文化で学んだことが私の味方
文化服装学院に入学した当時は、すべてが刺激的だったことをよく覚えています。いろんなテイストのファッションの人がいて、「目が忙しい!」と思っていました。スタイリスト科でひととおりの服を作る授業があり、特に最後のほうに制作したジャケットは難しかったぶん楽しくて、20代の頃はよくそのジャケットを着ていました。広くファッションを学べる科で、特にファッションビジネスの授業は先生も面白くて内容も好きでした。ビームスには「デミルクス ビームス 新宿」のオープニングスタッフのアルバイトで入社。長く働きたいと思っていたので、大人っぽいものを扱う店舗で働くことを希望したんです。それから約10年ほど、店長なども含めて販売を経験しました。
スケジュール管理にGoogleカレンダーは必須。
アパレルの仕事はどの職種も接客がベースにあるため、その経験は私の宝です。そして店頭に立っていた時もプレスの仕事をしている今も、文化で学んだファッションの知識が、私の味方になってくれています。服作りの経験があることで、販売員の頃は服の背景やお直しの話が得意でした。文化で見てきたたくさんのコーディネートは、新しい着こなしのご提案にもつながっています。
Etsuko Meguro 1983年生まれ、山梨県出身。文化服装学院スタイリスト科(現・ファッション流通科スタイリストコース)卒業。卒業後、2005年、ビームス入社。デミルクス ビームス 新宿をはじめ、池袋や横浜エリアにて店舗スタッフを経験。その後、ドレス部門のスーパーバイザーを経て現職。
Instagram:@meguro_etsuko
Tシャツ、ワンピース 古着、インナーのタートルネック レイ ビームス すべて本人私物
レイ ビームス バイヤー
園井りささん
私にとってファッションは〝無限〟。仕事の幅がどんどん広がっていくんです。文化服装学院で学んだ一つ一つが将来に役立ちます。
SCHEDULE ある仕事の一日
10:30 展示会回り
12:00 オフィスに戻り、業務
13:30 昼食
14:30〜16:00 業務
16:00〜17:00 商談
その後、業務の続き。
21:00までに退社
別注商品のサンプルチェック。
どんなささいなことにも、文化の学びが生きている
服作りを全般的に学んだ上でファッションの仕事がしたかったこと、そして4年制に通うことで就職の可能性を広げたいと思い、ファッション高度専門士科に入りました。量産もニットも素材も、服作りのすべてを文化で学んだことは、仕事の中のどんなささいな場面にも生きています。特にバイヤーとして別注商品に携わる時は、服作りの知識が役立っていますね。先輩のバイヤーさんからは、おかげでデザイナーさんとの会話がスムーズになったと言っていただきました。
園井さんのノートには、別注商品に関する仕様や打ち合わせ内容、スケジュールなどが細かく記録されている。
レイ ビームスでは20代後半でバイヤーになるチャンスが巡りますが、その機会をつかめたのはオリジナル商品の企画書を頑張って書いたり、スタイリング力を磨くことが役立った気がします。また、店舗にいた頃はお客さまのニーズに応えられるよう、ディレクターの方とこまめにやりとりもしていました。今、学生の方は、発信力とファッションをかけ合わせて、ぜひチャンスをつかんでください。
今季レイ ビームスの別注テーマは「透け感」。ミヤオ、チカ キサダ、77サーカ、ノーマティーディーが、レイ ビームスとともにレイヤードを楽しめる透け素材のアイテムを提案。上 ミヤオ別注のボレロ¥31,900 下 ミヤオ別注のレースのティアードスカート¥44,000 レイ ビームス(レイ ビームス 新宿)4月7日から全国のレイ ビームスで発売中
Risa Sonoi 1993年生まれ、神奈川県出身。文化服装学院ファッション高度専門士科卒業。卒業後、2016年にビームス入社。ビームス 新丸の内、レイ ビームス 池袋(現在は閉店)、ビームス ルミネ横浜(現在は移転)、ビームス ジャパン 渋谷を経て、ʼ21年3月より現職。
Instagram:@jinsei_son.oi
【Q&A】
ビームスで働く先輩たちに聞きました!
Q1 文化服装学院で学んだことで仕事に役立っていることは?
Q2 学生時代、就職のためにしていたことは?
Q3 服飾業界への就職を考える学生世代へアドバイス!
バイヤー
金子 茂さん
A1 在学中はスタイリスト科。現在の仕事では、ブランドを仕入れる時にスタイリングを考えたり、ビームス プラスのシーズンルックを考える時に、文化服装学院で学んだことが生かされています。
A2 在学中からスタイリストのアシスタントをしていました。現場で学ぶことも多いため、ビームスに就職を希望するなら、まずは学校に通いながらでもアルバイトをすることが理想です。文化服装学院にもビームスにも、根っからの服好きが多くいると思うので、両方の刺激を受けながら学生生活を送れたらいいですね。
A3 何事も探求心を。好きなことなら尚更。スペシャリストになれば尚良。それはどの業種でも同じです。
Shigeru Kaneko 1984年生まれ、東京都出身。文化服装学院スタイリスト科(現・ファッション流通科スタイリストコース)卒業。アルバイトを経て2011年ビームスに入社し、ショップスタッフを経験後、ʼ15年よりビームス プラスのバイヤーに。趣味はログハウス生活と古着収集。
イーコマース スタッフ
高地千絵里さん
A1 ファッションに関する知識はもちろん役に立っていますが、様々な専攻の同級生や先輩とコミュニケーションをとり、交流を深めたことが役立っていると思います。一つのショーを制作する際などに、たくさんの方々とコミュニケーションをとることをおすすめします!
A2 ビームスが運営するピルグリム サーフ+サプライというブランドで学生アルバイトをしていました。また、学生時代は行事に前向きに取り組んでいたと思います。頑張ったこと・工夫したことを、自信を持って人に話すことができれば、どこの会社に行っても役に立つ時がくると思います!
A3 私は好きなお洋服を身につけることで、ポジティブな気持ちになれたり、仕事を頑張れたりするので、ファッションの力は大きいと実感しています。文化服装学院では、自分に合った企業選びができる能力を養う、経験や勉強ができると思います!
Chieri Takachi 1998年生まれ。神奈川県出身。文化服装学院ファッション流通科リテールプランニングコース卒業。2018年、ビームスに入社。ビームス 町田とビームス ウィメン 原宿を経て、ʼ22年、EコマースのZOZOTOWN担当に。撮影のディレクションやコメント作成を手がける。趣味は自転車に乗ること、サウナ巡り。
ディレクター
増子雄一郎さん
A1 スタイリスト科でファッションについて幅広く学べたことが本当に様々な場面で役に立っています。ミシンの使い方、服の仕立て方、構造、歴史、染色など共通言語となる事柄が多く、知っていてよかったぁと実感する場面がいまだに多いですね。
A2 学生時代は真面目に通学はしていたもののファッションに夢中すぎて、働くことに対しての準備に意識して取り組んだ記憶はないです……。ただ、趣味嗜好が多彩でこだわりの強い友人たちとたくさん一緒の時間を過ごしたことが何よりの財産だったと感じています。
A3 自分も親となり、子どもたちにファッション業界をすすめるかといえば「NO」かもしれません(笑)。正直、大変なことも多いです。ですが、好きなことに夢中になること以上の幸せはないと思うので、本当にファッションが好きならとことん突き進んでください。応援しています!
Yuichiro Mashiko 1977年生まれ、東京都出身。文化服装学院スタイリスト科(現・ファッション流通科スタイリストコース)卒業。ʼ99年、ビームス ボーイ 原宿のオープニングスタッフとして入社し、店舗スタッフを経験。2007年からのバイヤー職を経て、ʼ21年よりウィメンズカジュアルの統括ディレクター。趣味はジョギングとサッカー観戦。