中島セナ インタビュー。
ものづくりを愛する17歳が体験した『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』のファンタジーの世界、果てなき夢

ものを作る仕事ってすごく素晴らしい。

――物語の中のナギは、タイムと出会ってドライな心情に変化が生まれていきます。タイムはとてつもなく純粋でまっすぐ、そして信じる力が強いというキャラクターですが、あの純粋さを中島さんはどう感じていらっしゃったのか気になります。

中島:現実世界であれだけ人を信じられる人って、なかなかいないと思います。ナギがそうであるように、皆どこかしら斜めから物事を見てしまったりすると思うのですが、タイムはまず、目の前にいる人を信じることから始める。ベタですが、信じるということの大切さを感じていました。

――先ほど絵がお好きとおっしゃっていましたが、中島さんご自身も絵を描かれますよね。漫画家であるナギのお母さんは、頭の中のイメージを降ろすように、憑かれたようにして描いていましたが、中島さんが描かれるときもあのようにイメージがドドッと降りてきて、頭の中を具現するような感覚がありますか?

中島:いえいえ!あれほど壮大な空想の世界を持っていて、描くときはそれをアウトプットするだけ、みたいなことは私にはないんです。私は、何を描こうかなと考えたり迷ったり、本を読んで学んだりしながら描いています。小さなところから少しずつ引っ張っていって、一つひとつを構築していくようなイメージでしょうか。ナギのお母さんのように描ける人もいるとは思うのですが、私にはわからない感覚なので羨ましくもあります。

――漫画家や小説家のような物語と合わさったイメージを持っている作家の方だと、あのような降りてくる感じの描(書)き方をされることもあるようですね。中島さんはよくどんな絵を描かれますか?

中島:まだ画風や作風が定まっていないのですが、割とシンプルな感じで、色もめちゃくちゃカラフルというよりは、モノトーンが多いです。あまり色を使わないで描く事がいまは多いです。 

――ドローイングのような?

中島:ドローイングは、今年の夏くらいに初めて描きました!考えるよりも先に手を動かしたほうがいいんだなと感じるような難しさがあり、感覚的な部分も大きいと感じた手法です。

「ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-」より

――本作の核となる部分に「想像力」があると思いますが、物語を演じたり絵を描く中で、中島さんは「想像力」というものをどんなふうに捉えていらっしゃいますか。

中島:絵を描くときはもちろん、人のことや身の回りで起こっていることを考えるとき、何をするにしても「想像する」というのはすごく大事なことだなと思います。小さな疑問に対しても想像し、自分の答えを持つことを大切にしたいです。

――お芝居のお仕事も想像力を発揮する場面が多そうですね。映像作品の出演も重ねてこられて、いま現在はその喜びや楽しさをどのように感じられていますか?

中島:監督やカメラマンさん、制作スタッフの方々と一緒にお仕事ができて、その仕事を間近で見られることが、私の中ですごく楽しめる要素です。ものを作っていくことが好きだからですね。

――映像を作る立場にも興味を持っていたり?

中島:そうですね。やっぱり間近で見ていると「いいなあ」って思います。ものを作る仕事ってすごく素晴らしいなって。

――そんな中島さんに、夢を信じることの大切さを教えてくれる本作に関連しつつ、もし良ければ、いま、ご自身が夢見ていることを教えていただけたらなと思いました。

中島:夢!えーーなんだろう。私は、あまり明確な目標を決めないタイプなんです。割とアバウトに過ごすというか、流れでできることを大事にしているのですが、夢と言われて浮かんだのは、それこそいま絵を描いているので、それが何かしらの形で一つの身になっていったらいいなということです。同時に、いろんなことにチャレンジもしていきたいです。

Sena Nakajima 2006年生まれ、東京都出身。 ’17年にスカウトされモデルデビュー。『WE ARE LITTLE ZOMBIES』『クソ野郎と美しき世界』などの話題の映画にも出演。’21年には新人女性俳優の登竜門となるポカリスエットのCMに起用され、翌年もヒロインを演じた。’19年よりKANEBO「I HOPE」のメインキャラクターを務めている。

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