2016年秋冬シーズンにファーストコレクションを行って以来、手芸テクニックを駆使したロマンティックなアイテムで人気を博すロンドン拠点のブランド、モリー・ゴダード(Molly Goddard)。「ドーバー ストリート マーケット ギンザ」1階の「エレファントスペース」で、モリーのシグネチャーアイテムであるチュールドレスのアーカイブを展示・受注販売中(開催中〜2023年7月31日まで)だ。その夢のような空間の様子と、初来日したモリーからのメッセージをお届け!
photographs : Josui (B.P.B.)
カラフルなチュールドレスが並ぶラック。ギャザーやラッフル、スモッキングといった技法が多く用いられるドレスは、13名ほどのスタッフが働くロンドンのモリーのスタジオ(アトリエ)で制作されている。
2020年秋冬コレクションより “Hyunya Dress” ¥1,155,000
2021年春夏コレクションより “Marina Dress” ¥960,000
2016年秋冬のファーストコレクションで発表したドレス(バックスタイル) “Inez Dress” ¥1,200,000
2020年春夏コレクションより “Skyne Dress” ¥1,600,000
Interview with Molly Goddard
モリー・ゴダードとの3つのQ&A
Q1:モリー・ゴダードのドレスをじっくり見ると、手作業ならではのフリルの強弱や切り替えを発見します。こうしたディテールは、実際に手を動かしながら即興的に考えるのでしょうか?例えば、この“Meva”(写真下)の、変則的に一部分だけ上につけられたスモッキングはどうですか?
2020年秋冬コレクションより “Meva Dress” ¥1,360,000
Molly :デザインするとき、私は最初にドローイングを描きます。このドレスの場合は、ドローイングの段階からスモッキングを入れる位置を決め込んでいたので、即興的なものではありませんでした。ただ、その両方のコンビネーションではあって、ドローイングの段階から決めているものと、作りながら決まっていくものとがあります。ちなみにこのスモッキングは、スタジオと工場に計6台あるミシンを使って作った大作なんですよ。
Q2:モリーさんは、ご自身のドレスをどんな風に楽しんでほしいですか?
Molly :私のドレスはボリュームも大きいので、なんだかごちゃごちゃしているなとか、ゴワゴワして着心地が悪いんじゃないかって感じると思う。でも実際に着てみると、案外、普段着になじみますし、Tシャツのようにリラックスできるんです。生地自体も丈夫なので、デイリーにガンガン着ても大丈夫。緻密な手作業でできてはいるけれど、素材自体はラグジュアリーっていうわけじゃないの(笑)。だからドレッシーに着るよりは、リラックスして普通に着てほしいかなと思います。デニムやフラットシューズ、スニーカーにもよく合うんです。
Q3:コレクションでもそんな提案をされていますよね。私たちもいつか、デイリーにモリーさんのドレスを着たいです。『装苑』読者の皆さんの中にも同じ思いを持っている人は多いと思うのですが、将来、モリーのドレスに袖を通したい!と思っているおしゃれが好きな若い世代にメッセージをいただけますか?
Molly :そうね、何を伝えようかな・・・(少し考える)。
一番は、カラーとテクスチャー、ボリュームを楽しんでください、ということですね。あなたがハッピーになる服を着てください。それが私のクリエイションにも、とても重要なことなの。
Molly Goddard Archive Dress Exhibition
期間:開催中〜2023年7月31日(月)まで
場所:DOVER STREET MARKET GINZA
東京都中央区銀座6丁目9−5 1F「エレファントスペース」
時間:11:00〜20:00
WEB : https://shop-jp.doverstreetmarket.com/
Molly Goddard
WEB:https://mollygoddard.com/