中里唯馬(YUIMA NAKAZATO)のエキシビション、
フランスのカレでスタート

フランス屈指のレース博物館「レースとモードの都市(CITÉ DE LA DENTELLE ET DE LA MODE)」で、日本人デザイナーの中里唯馬さんのエキシビション『YUIMA NAKAZATO Beyond Couture(ユイマナカザト クチュールを超えて)』がスタートしました。

自身のブランド「YUIMA NAKAZATO」のコレクションを発表する傍ら、バレエやオペラの舞台衣装を手がける中里さんは、現在、パリのオートクチュール・ウィークに参加する唯一の日本人。本展では、その初回となった2016年-’17年秋冬から’24年春夏までの作品約50点を集め、アクセサリー、デザイン画、写真、ビデオなどとともに、シーズンのテーマやコンセプトを解説しています。

「オーダーメイドを多くの人に広めたい」というビジョンを持つデザイナーは、最新のテクノロジーと職人技が融合するクリエイションを展開。環境へも配慮したファッションを提案しつつ、ファンタジーあふれる独自の世界観のなかで、現代社会へのメッセージを込めたコレクションを発信しています。

エキシビションの開催にあたり「Beyond Coutureという素晴らしいタイトルをいただきました」と中里さん。

「クチュールはフランスの文化であり歴史。クチュールにファッションの未来があると信じて、ここまでやってきました。今回、このフランスという場所で、展覧会ができるのをとても意義深いことだと思っています」

4年の歳月をかけて準備したというエキシビションは、キュレーターのシャズィア・ブシェ(Shazia Boucher)さんがオートクチュール・ウィークで「YUIMA NAKAZATO」のショーを観たことがきっかけになり実現。

「フランスの文化がすごく大きな壁になって見えていましたが、今回は彼らから声を掛けていただけました。ずっと自分から挑んでいるイメージだったのが、迎え入れてもらえた。この展覧会はそのように思える機会になりました」

ファッションの未来に向けて挑戦し続けるデザイナーの姿勢には、まさにオートクチュールの精神が宿っています。

中里唯馬(なかざと・ゆいま)
1985
年生まれ、東京都出身。芸術一家のなかで育ち、高校卒業後にアントワープ王立芸術アカデミーに入学。卒業作品が複数の賞を受賞する。2009年に自身の名前を冠したブランド「YUIMA NAKAZATO」を立ち上げ、20167月よりオートクチュール・ウィークのゲストデザイナーとして、パリでコレクションを発表する。

YUIMA NAKAZATO Beyond Couture
2025年1月5日(日)まで。

CITÉ DE LA DENTELLE ET DE LA MODE
135 quai du Commerce, 62100 Calais
+33 (0)3 21 00 42 30
公式サイト

Photographs:濱 千恵子 Chieko Hama
Text:B.P.B. Paris

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