オリヴィエ・サイヤールが監修、
ITSファイナリストの作品展「服の幾多の人生」開催

2024.04.10

フランス屈指のモード美術館で、数々の大展覧会を手がけてきたオリヴィエ・サイヤール(Olivier Saillard)さん。キュレーターの枠にとどまらず、ポエムを書き、ショーの演出・出演までをこなすパフォーマーでもある彼が、イタリアのトリエステに新設されたミュージアム「イッツ アルカデミー(ITS Arcademy)」とコラボレーション。哲学者のエマニュエル・コーチャ(Emanuele Coccia)さんと共に監修したユニークな展覧会「服の幾多の人生(The Many Lives of a Garment)」がスタートしました。

サイヤールさんは初回のエキシビションに続き、第二弾となる今展のキュレーションを担当。同館のコレクションから抜粋された作品を中心に、著名な女優たちから貸し出された服なども展示されています。

「僕がこの仕事を受けた理由は、扱う作品が若いクリエイターのものだったからです」とサイヤールさん。

「実はトリエステに着くまで分からなかったのですが、アーカイブを見たら、これはいい展覧会ができると思ったんですよね。彼らの作品は純粋で、何にも染まっていないところに惹かれます。自分自身の中から生まれたもので、モード界のシステムに歪められていないという印象でした。僕自身、学ぶことがありましたね。これまで大きなメゾンのエキシビションに携わってきたので、まだあまり知られていない人たちに興味があるんですよ」

「今回の展示は、朝、家のクローゼットを開けた時から、個々のエキシビションが始まっている、というアイデアがベースにあります。皆それぞれに自分のお気に入りのワードローブを持っていて、今日は何を着たいか、見せたいかと、ソファーに服を並べてみたり、壁に服を吊るして眺めてみたりする。そうした行為もすばらしいモードのエキシビションだと思うのです。だから今回の展示は、そんな日常の私的な視点を見せているものでもあるんですよ。とても自由な展示内容になっています」

展示はクローゼットから始まり、鑑賞者のポーズをとるマネキンもいれば、クラシックなショーケースに収められたマネキンも。所有する人や置かれた状況によってその価値を変化させる服の生涯に焦点を当てつつ、服が持つ意味を探るという、ひと捻りもふた捻りもある内容です。

そんなサイヤールさんが国際コンテストである「イッツ」に期待することは?

「ファッションに夢を持つ人たちを賞賛し続けてほしい。デザイナーにならない人もいますが、業界でキャリアを積んでいくかどうかは大きな問題ではないと思っています。夢を持つことが大事。僕は彼らが成功したかではなく、その人自身に関心がある。だから、これからも夢を持つクリエイターとすばらしい作品を見つけてくれることを願っています」

また同館では、今年度のファイナリストの作品を紹介するもう一つの展覧会「創造するために生まれた(Born to Create)」も開催中。新進クリエイターの作品に特化した世界に類を見ないミュージアムは、ファッション界の新名所として、さらなる発展を遂げていくことでしょう。


The Many Lives of a Garment / Born to Create
2025年1月6日まで。

Photo & Text:B.P.B. Paris

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