【SS2023パリコレ・メンズ】最前線のクリエイターたち
vol.4 リック・オウエンス

2022.07.11

6月21日から6日間の日程で開催された2023年春夏パリ・メンズ・ファッションウィーク。フィジカルイベントが増えた今シーズンは、40ブランドがパリを舞台にショーを実施。待望のリターン組、初ショーを行った新星デザイナー、パワフルなラグジュアリーブランドが一堂に会し、尽きない創造性を披露した刺激的な一週間だった。

RICK OWENS
リック・オウエンスはエジプトの旅から

リック・オウエンスはコレクションのタイトルに、古代エジプトの神殿の名前「EDFU」を命名。

「最近エジプトに旅をした際、確固として存在する歴史のスケールの大きさに心が癒されました。私の個人的な心配事や世界的な受難も、そのような 永久不変的な物の前では些細なことに感じられました。土の上に寝転がりながら王家の谷を見下ろすのが、私のお気に入りの景色でした。ある文 明によって建設が始まった神殿は、その後別の文明に奪われ、増築され、最終的に別の文明が完成させ、その後別の文明によって発掘されまし た。このストイックなまでの永続性を心強く感じました」とリック。

会場はパレ・ド・トーキョーの屋外広場。耳障りな不調和音の音楽は、不安定な現在の情勢を反映したという。ショーの合間には炎に包まれた3つの球が、空中に浮かび落下する演出もあった。これらは太陽をイメージしたもので、太古の昔から繰り返されてきた無意味な破壊を表している。

©B.P.B. Paris

今シーズンはビビッドなピンクと黄色が差し色になり、ぼんやりとしたチェック模様、スカラベのような虹色のラッカーコーティング素材なども使用。スタッズなどのハードな装飾は減らされ、よりソフトでシンプルなイメージだが、肩を極端に誇張したインパクトのあるシルエットが一層強調された。

シースルー素材が多用されたのも特徴で、エジプト旅行から発案されたフェイスカバー付きのチュールの虫除けローブも登場。演出、キャスティング、クリエイションのすべてにおいて独創性が光る。

Text:B.P.B. Paris