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【From パリ支局】イヴ・サンローラン、リヨンの織物でたどるオートクチュールの舞台裏(後半)

2021.08.05

–文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。

1983年、生地に囲まれたアトリエで作業するサンローランとお気に入りのモデルだったキラ・ヤング。Photo : Guy Marineau © Yves Saint Laurent

前半より続く)

パリで開催されている「イヴ・サンローラン、リヨンのオートクチュールの舞台裏」展のクライマックスには、デザイナーが陶酔した劇作家シェイクスピアにオマージュを捧げたローブ・ド・マリエ(ウェディングドレス)や光り輝く豪華なイブニングドレスが登場。サンローランがまだそこにいるかのようなアトリエも必見です。

展覧会のハイライト、きらびやかなローブ・ド・マリエやイブニングドレスに思わずうっとり。

左の写真は「シェイクスピア」と題された1980年秋冬のローブ・ド・マリエ。「ビュコル(Bucol)」「アブラハム(Abraham)」「ユレル(Hurel)」「ビアンキーニ・フェリ(Bianchini-Férier)」など、複数におよぶリヨンの企業の生地を結集させた傑作です。右はしっとりとした輝きが美しいパーンベルベットのイブニングドレス。

ヒョウ柄のドレス(中央)は1986年秋冬のもので「アブラハム」のサテンを使用。 “シルク王”と呼ばれた「アブラハム」のギュスタヴ・ズムステッグは、1940年代からクチュリエたちと親しい関係を築き、企業をオートクチュール界に定着させました。本社はスイスにありますが、リヨンとパリにデザインオフィスを構え、モードに力を注いだといいます。

「アブラハム」のブロケードを使った1989年秋冬のアクセサリー。

「ボー・ヴァレット(Beaux-Valette)」のビロード、「ユレル」のチュールなどが使われた1991年秋冬のドレス。

当時のままのインテリアが残るアトリエ。この場所にいたサンローランの姿を思い浮かべずにはいられません。

中央はデザイン室長だったアンヌ=マリー・ムニョス、右はサンローランの公私にわたるパートナーだったピエール・ベルジェ。Photo : Guy Marineau © Yves Saint Laurent

Yves Saint Laurent : Behind the scenes of haute couture in Lyon
『イヴ・サンローラン、リヨンのオートクチュールの舞台裏』展
2021年12月5日まで。
Musée Yves Saint Laurent Paris オフィシャルサイト

Photographs :濱 千恵子(Chieko HAMA)
Text : B.P.B. Paris