毎日新聞社が主催する「毎日ファッション大賞」。今年度の表彰式が2024年10月23日に開催された。ファッションに携わる人々の優れた業績を称え、ファッション界のさらなる振興と文化の育成を目指すこの賞。
年間を通じ、ファッションという文化活動のなかでもっとも優れた成果をあげた人に与えられる大賞には「Maison MIHARA YASUHIRO(メゾン ミハラ ヤスヒロ)」のデザイナーの三原康裕さんが選ばれた。
装苑賞で審査員を務める三原康裕さんは、多摩美術大学在学中に、独学で靴作りを始め、1996年にブランド「MIHARA YASUHIRO」をスタート。2005年にはミラノコレクションに初参加し、’07年にパリコレクションへと発表の場を移した。同年ブランド名を「Maison MIHARA YASUHIRO」へ変更し、現在までコレクションを継続しグローバルに飛躍を続けている。また、’22年には1年間限定で、ファッションに限らず、アートや音楽、建築、映像、写真などジャンルを超え様々な文化が芽吹く場所を目指し「NACC 日本橋アナーキー文化センター」をオープン。若いクリエイターたちの表現の発信の地を設け若手育成にも尽力をつくした。
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三原康裕さんコメント
今回、このような素晴らしい賞をいただき、とても嬉しく思います。
実は23歳で靴を作り始めたので、あと少しで30周年を迎えようとしております。多摩美術大学に通う、変な学生が靴を作って、それを面白いと認めて応援してくれた人たちのおかげでブランドをスタートし継続することができました。
デビュー当初から今に至るまで、僕は当たり前のことを当たり前にやり続けているだけで、大それたことをしているとは全然思っていません。この賞というのは、30年間ともに歩んできたスタッフや途中から入ってきてくれた若手、もちろん靴業界の方々や家族など、周りで支えてくれる人の功績だと思っております。
この度は本当にありがとうございました
新人賞・資生堂奨励賞はデザイナーの村田晴信さんが受賞。村田さんはエスモード ジャポン東京校卒業後、イタリアへ渡りジョンリッチモンドやジル サンダーでの経験を経て、2018年に帰国し「HARUNOBUMURATA(ハルノブムラタ)」をスタート。「LUXURY OF SILENCE」コンセプトとし、日本から真のラグジュアリーを発信することを目的に東コレでのコレクション発表を行うなど活躍をみせた。
表彰式では村田晴信さんによるインスタレーションも開催。学生時代から現在に至るまでの象徴的なルックをショー形式で披露。美しくなびくドレスや堅実なテーラリングの数々が登場し、村田さんの今後のさらなる活躍に期待が高まった。
長らく業界に貢献した人や団体に贈られる鯨岡阿美子賞には、日本ファッション・ウィーク推進機構前理事長 三宅正彦さんが選ばれた。(話題賞は受賞者なし)
以下受賞者コメント
新人賞・資生堂奨励賞=村田晴信さん
この度はこのような素晴らしい賞をいただくことができ、大変感動しております。たくさんの方に支えられながら、ブランドを立ち上げて5年目になりますが、その形がひとつ実を結んだように感じております。この場をお借りして感謝を申し上げたいです。本当にありがとうございます。
『HARUNOBUMURATA』ではジャパニーズラグジュアリーの確立を目的に掲げ、イタリアで学んだ“装う”ということの理念と、日本の美意識をミックスした服作りを行っております。この賞をきっかけに、よりグローバルに発信していき、賞の重みを感じながら、期待を超えていくようなブランドにしていきたいと思っておりますので、今後とも皆様に見守っていただけますと嬉しいです
鯨岡阿美子賞=三宅正彦さん
19年前に『JFWをやろうじゃないか』と発足してから、様々な人のご協力があって、今の今まで順調に進んできております。私は今年の6月に理事を退任致しましたが、これからも活動を見守っていきたいと思っておりますので、皆様、変わりなく応援いただけますと幸いです。この度は、本当にありがとうございました
今回の受賞者の業績を敬し、今後も日本のファッション業界を盛り上げる取り組みと人物の登場に期待をしたい。
写真:「2024年(第42回)毎日ファッション大賞」表彰式/提供:毎日新聞社
毎日ファッション大賞