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LVMHプライズ 2024、
ストックホルム発「ホダコヴァ」がグランプリ受賞!

9月10日、若手ファッションデザイナーを支援するLVMHプライズ(LVMH Prize for Young Fashion Designers)が、今年の受賞者を発表しました。

みごとグランプリに輝いたのは、スウェーデン出身のエレン・ホダコヴァ・ラーソン(Ellen Hodakova Larsson)。現在32歳のエレンは、2021年に自身のブランド「ホダコヴァ(HODAKOVA)」を立ち上げ、ストックホルムを拠点に活動しています。

豊かな自然とともに田舎で育ったエレンにとって、クリエイションの根幹となるのはサステナブルであること。クラフツマンシップを駆使し、古い製品やデッドストックをラグジュアリーなものへとアップサイクルした唯一無二の作品を生み出しています。

人々の意識改革にも尽力したいと励む彼女は、受賞後のインタビューで「私が思い描くかたちで会社を末長く存続させたい。無理なく発展させていくことを目指しています」と語ってくれました。

「ホダコヴァは、サーキュラー・チェーン全体を巻き込んだ、より広範なコラボレーションやイノベーションに向けて成長していくと思います。その過程で、事業の規模を拡大させ、目標を達成していきたいです」

優勝賞金は40万ユーロ(約6,600万円)。このほか、LVMHのチームによる1年間のメンターシップが提供され、あらゆる分野の専門家によるサポートを受けることになります。

また、カール・ラガーフェルド賞はオランダ人のデュラン・ランティンク(Duran Lantink)が受賞。アムステルダムとパリを行き来するデュランは、独創性に富むユニークなシェイプが光るデザイナー。2023年にパリ・ファッションウィークでデビューし、今年のANDAMファッションアワードで特別賞にも輝いた若手です。

「捨てられたり、忘れられたりしたものからインスピレーションを得る」というデュランは、愛着のあるアイテム、デッドストック、サステイナブルな素材などを融合させたクリエイションが評価されています。

「私のビジョンは、一生着続けられるようなアイテムを作ることです。たとえそれが完全に変形することを意味しても。そんなブランドと着用者の間の対話にワクワクしますし、これが非常に持続可能な解決策だとも考えています」

新設されたサヴォアフェール賞は、ロンドンベースのアイルランド人、マイケル・スチュワート(Michael Stewart)が獲得。2017年にロイヤル・アカデミー・オブ・アートを卒業した彼は、2022年に「スタンディング グラウンド(STANDING GROUND)」を設立し、彫刻のような美しいイブニングウェア、カスタムウェア、ボディオーナメントを発表しています。

「このブランドが生まれたのは、私がこの業界で自分のポジションを見つけられなかったから。この創造的な帰属意識の欠如にフラストレーションを感じ、幻滅した私は、個人的に満足できる作品を作ろうと誓ました。革新に努め、自分の分野を極める一方で、テクニックを完璧にすることに集中したかったのです」

カール・ラガーフェルド賞とサヴォアフェール賞の二人には賞金20万ユーロ(約3,300万円)と、1年間のメンターシップが約束されました。

Text:B.P.B. Paris

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