Comme des Garçons(川久保玲) 2020年春夏 © 京都服飾文化研究財団、撮影:来田猛
京都国立近代美術館(MoMAK)と京都服飾文化研究財団(KCI)による特別展「LOVE ファッション─私を着がえるとき」が9月13日(金)より開催。
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)(部分) フランス 1775 年(テキスタイル 1760 年代) © 京都服飾文化研究財団、撮影:畠山崇
本展では、KCIが所蔵する18世紀から現代までの衣装コレクションを中心に、人間の根源的な欲望を照射するアートとともに、ファッションとの関わりにみられる様々な「LOVE」のかたちについて考える。
Gaultier Paris by sacai 2021年秋冬 © 京都服飾文化研究財団、撮影:守屋友樹
着ることにまつわる情熱や願望を表すキーワードで構成された本展は、ヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』に触発されたコム・デ・ギャルソン2020年春夏コレクション、コム・デ・ギャルソン オム・プリュス2020年春夏コレクションのほか、川久保玲が衣装デザインを担当したオペラ作品《Orlando》(2019年)の舞台映像やジャン= ポール・ゴルチエとサカイのコラボレーションによるオートクチュール作品など着る側と作る側それぞれの熱い「LOVE」から生み出された装いの数々が登場する。
原田裕規 《Shadowing》 2023年 © Yuki Harada / 撮影:Katsura Muramatsu
松川朋奈《それでも私が母親であることには変わりない》2018年 個人蔵 © Tomona Matsukawa courtesy of Yuka Tsuruno Art Office, photo by Ken Kato
また、様々な願望や葛藤を抱えながら現代を生きる多様な「私」のありようを表現した現代アーティスト達による作品も展示。身近な友人との日常を切り取り、ありのままに生きることを肯定するヴォルフガング・ティルマンスの写真、同世代の女性たちのインタビューを題材にその日常と内面を描き出す松川朋奈の絵画、背負う貝殻を変えるヤドカリの姿に人のアイデンティティを重ね合わせるAKI INOMATAの作品など、「私」をめぐる問いの現在形を探る。
これまでKCI×MoMAKのファッション展では、藤本壮介や元木大輔などの建築家による、展覧会コンセプトに相応しいユニークな展示空間を実現してきたが、今回の展覧会ではグラフィックデザインに岡﨑真理子、会場デザインに井上岳、齋藤直紀、棗田久美子、赤塚健による建築コレクティブのGROUPを起用。若手の新鮮な感性によるビジュアル・会場デザインにも注目したい。
Loewe(ジョナサン・アンダーソン)ドレス(部分)2022年秋冬 © 京都服飾文化研究財団、撮影:来田猛
1980 年の「浪漫衣裳展」以来、これまで八度にわたる共同での展覧会を開催し、「モードのジャポニスム」(1994)、「身体の夢」(1999)、「Future Beauty」(2014)、第15 回 西洋美術振興財団賞学術賞を受賞した「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」(2019)をはじめ、「美術館における衣装展」という分野を日本でいち早く普及、発展させてきた両者。着る人の様々な情熱や願望=「LOVE」を受け止める存在としてのファッションに焦点を当てた本展をぜひチェックしてみて。
LOVE ファッション─私を着がえるとき
期間:2024年9月13日(金)~11月24日(日)
場所:京都国立近代美術館(岡崎公園内)
京都市左京区岡崎円勝寺町
時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
※ただし9 月16 日(月・祝)、9 月23 日(月・休)、10 月14 日(月・祝)、11 月4 日(月・休)は開館。翌日火曜日は休館。
観覧料:一般 ¥1,700、大学生 ¥1,100、高校生 ¥600
*中学生以下、母子・父子家庭の世帯員の方、心身に障がいのある方と付添者1名は無料
巡回展:熊本市現代美術館(会期:2024 年12 月21 日(土)~ 2025 年3 月2 日(日))のほか、 東京へも巡回予定
WEB:https://www.kci.or.jp/love/
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