セントラル・セント・マーチンズ ファッションデザイン学科 ニットウェア専攻を卒業したデザイナーデュオが手がけるニットウェアブランド「JUUKIFF(ジューキフ)」が2024年春夏コレクションよりデビュー。
ソウル出身で、ROKHやBLESSでインターンシップを経験後、韓国国内でニットデザイナーとしてのキャリアを積んだハ・ジュミさんと、大阪出身で、パリのCourrègesなどでインターンシップを経験し、ISSEY MIYAKE、TAIGA TAKAHASHIでのデザインキャリアをもつカワイルカさんのふたりが手がける。
今回のコレクションは、MIT Media Labの教授であり、デザイナーのネリ オックスマンの自然界にあるものを建築やデザイン、衣服に取り入れることを意味する「マテリアル・エコロジー」に着想を得て制作。
テキスタイルの開発はデッドストックのランジェリーレースから始まり、レースパターンを解体、コラージュ。そのコラージュ作品からインスパイアされたフォルムをデザインに落とし込み、リブ編みショーツのフリルや、ボリュームのあるドレス、ボンテージ風のトップスなど、進化的に落とし込んでいる。
「ESSENTIALISM(本質主義)」を掲げており、ニットウェアの製造技術を再解釈。ほぼ全てのアイテムにはホールガーメント技法を採用し、シームレスなデザインによる着心地のよさと、通常の服づくりにおいて無駄な素材が発生しやすい原材料や副資材の混合を行わないことで、地球のウェルビーイングを考慮したもの作りを行う。
デビューコレクションとなる2024年春夏コレクションでは、衣服の70.3%に綿や、再生素材であるテンセルなどの単一天然素材のみを使用。残りの29.7%は、ペパーミントやPBTと混紡したビスコース、綿と混紡したシルク、綿と混紡したモーダルなどの素材で構成されている。
微生物による自然な触媒作用によって単純な物質や無機質に分解される素材である、生分解性素材を見つけ、商品化することを今後の実践目標として掲げており、Hasegawa Corporationとのパートナーシップをはじめとした取り組みを行っていくとのこと。
サスティナブルに本気で向き合い、哲学的な要素をデザインに落とし込むニューブランドJUUKIFFに注目したい。