ヘンペルファッションアワードは1993年から開催されている中国の国際ファッションコンテスト。「To be Reborn(生まれ変わる)」をテーマに伝統と現代性の融合、未来性、環境との調和などを元に若いデザイナー、クリエイターの育成を目指すもの。今年は約40カ国から集まった応募作品から28人のファイナリストが選出され、先日、その最終審査とファッションショーが杭州にて開催された。
コンセプトや世界観、テクニックなど、将来のファッション界を担うべく、大胆でエネルギッシュな作品の数々が発表され、見事、グランプリを受賞したのは、中国出身のジョ・ホウショウさん。文化ファッション大学院大学に通うファッションクリエイション専攻ファッションデザインコースの2年次生だ。
ジョさんの作品テーマは「田園生活と現代生活の融合」。自身が体験した日本での生活や環境からインスピレーションを得ており、相反するものをミックスするバランス感をデザインに投影した。グラデーションに染めたウール糸とポリエステルのカラー糸を重ねたオリジナル生地やレザーにニットやリボンを編み込んだ特殊素材を自身で制作し、メンズライクなコートやジャケットをメインにした作品。ニットの牧歌的な優しさと相まって、モダンな雰囲気に仕上げている。
また、肩や袖、襟元など所々にカラフルなレザーやフェイクファーなどのフリンジ装飾を施し、ポップで遊びのあるアクセントもプラス。ジェンダーレスで着用できるコーディネートも現代らしくて印象的だった。
グランプリに加えて、第31回の特別賞として設定された「メディア賞」も獲得し、ダブル受賞する快挙を成した。