自分の人生の出来事を絵日記をつけるように
ワッペンに描く
『装苑』2022年5月号 掲載
グラフィックデザイナーの山川鎌さんは、コロナ禍で初めての緊急事態宣言が発令された時、「人はいつ死ぬかわからないから自分が生きた足跡を残したい」と思ったことをきっかけに、デザインの技術を生かして、ワッペンを作ろうと決意。もともと古着が好きで、一着の背景にある物語に魅力を感じるという山川さんが、デザインのモチーフとしてオリジナリティを追求し、たどり着いたものとは。
「ワッペンに描いているのは、すべて僕の人生の中での出来事です。楽しかった記憶だけでなく、少し痛々しいエピソードなどもユニークに切り取りながら、なるべくデザインはシンプルにして、キャッチーな言葉をつけるようにしています。手に取った人に、自分の人生と重ねながら楽しんでもらえたらいいなという思いを込めて。このワッペンも古着のように、時代を超えて人から人へ渡っていくような存在になったら嬉しいです」
デザインの道に進もうと思った高校2年生の頃から、今までの約10年間を振り返ると、その成長はカメのようにゆっくりだったけれど、これからも止まることなくまじめにやっていこうという気持ちを込めて。ワッペン ¥1,760
一方で、デザイナーとしてもっとスピーディに成長していきたいという思いをウサギで表現。ワッペン ¥1,760
初めて飼ったペットのカメを、水槽を洗うために1分間だけ外に出していたら、一瞬で跡形もなくいなくなってしまった日の出来事をもとに。ワッペンにはそれぞれの出来事が起こった年代も記されている。ワッペン ¥1,760
家に友人が集まり、みんなでご飯を食べたり、遊んだりするホームパーティの楽しい瞬間を詰め込んだ作品。ワッペン自体が家の形をしている。ワッペン ¥1,760
会社に週に1回、花が届くという習慣があり、それがきっかけで自分の家にも飾るように。そんな花に囲まれた生活を描いた作品。ワッペン ¥1,760
ブランドプロフィール
Ren Yamakawa 山川 鎌●1994年生まれ、埼玉県出身。2017年、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。同年、ドラフトに入社し、現在も所属。グラフィックデザインを軸に活動しつつ、’20年にワッペンブランド、HAVE A GOOD DAYをスタート。OnlineStore:https://storegoodday.thebase.in/ Instagram @ren_yamakawa
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EUCHRONIA/ ユークロニア デザイナー
文化服装学院卒業の宮崎さんと佐藤さんによって立ち上げられたブランド。おのおのアパレル企業のデザイナーとして勤務した後、共にイギリスへ留学。2023年4月にユークロニアをスタートさせた。 Instagram:@euchronia_official