タークは日本の“洋服”の独自性を追求。
2025年春夏パリ・メンズファッションウィークより

6月18日から6日間の日程で、2025年春夏パリ・メンズファッションウィークが開催され、約70ブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの注目のショーや見逃せないトピックスをご紹介します。

森川拓野が手がけるターク(TAAKK)のテーマは「Yo-fuku(洋服)」。

明治維新により近代化に向かった日本。西洋文化を取り入れてファッションが“洋服”なり、独自に発展したことに触れ、偉大な日本人デザイナーたちが築いてきたモノづくりの“クラシック”について考えたという森川。

「私たちが作る『洋服』は、そうした先人たちが築いた“クラシック”を伝承できているのだろうか。だからこそ私は、技術を掘り下げ、角度を変えて見つめ、派生させ、進化させる。デザインのさらなる可能性に向き合うために。そしてそこに、私のクリエイションを動かす情熱を重ねていく」

このブランドの持ち味である凝った素材はさらに芸術性を高め、洗練されたシルエットの中に、大胆さとロマンティシズムが感じられました。透け感のあるレースのような生地は、実はプリントを施したもの。ヨーロッパのレリーフ彫刻のような装飾は、生地をテープ状に細くカットし縫い付けた刺繍です。

グラデーション素材では、コットンボイルのシャツが裾に向かってウールのジャケットに変化し、麻からコットンブロードに変化するジャケットもあります。

唯一無二のオリジナリティを持ち、毎回、新鮮な驚きを与えてくれるタークは、未来のクラシックを作る存在なのかもしれません。

Courtesy of TAAKK
Text:B.P.B. Paris