KEISUKEYOSHIDA(ケイスケヨシダ)
幼少期の記憶の場で、ナードかつ
エレガントな女性を表現
Rakuten Fashion Week Tokyo 2025-‘26 A/W レポート

会場となったのは、池袋のロサ会館にあるゲームセンター。娯楽施設が集結したこの場所は、かつて鍵っ子だったデザイナー吉田圭佑にとって幼い頃から親しみのあるレトロなビルだ。誰しもが抱える孤独を、ネガティブな方向ではなくエレガントな方向へと前進させてクリエーションしたラインナップ。

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ロングスリムシルエットが描くコートやドレスはまさにその代表的な作品ともいえる。
肩幅の広いジャケットやコートは逆にか細い女性の方を強調させ、前気味につけられた袖は少し猫背なシルエットを描きアンニュイなイメージを醸し出す。

柄で印象的なのはバラの花や蔦の葉柄。バラは町の商店街の洋品店で使っていそうな包装紙をイメージ。蔦の葉柄は昔の自分の家のカーペットからインスピレーションしたもの。これらの柄からも懐かしさが伝わってくる。

全体のレトロなイメージを新鮮に見せたのは、身頃や袖の布を結ぶことによって縦にも横にも大きいシャツをタイトにしたアイテム。シンプルなアイテムのポイントになるのと同時に、今の時代のボディコンシャスでもあり、フェティシズムの余韻を残すものに。

アウトドアアイテムのパッテッドジャケットやビッグサイズのブルゾンなどにコーディネートされていたのがスリップスカート。繊細なレースが施されたニュアンスカラーのこのアイテムを異なるイメージのアイテムとスタイリング。そこからは女性の繊細さや優しさ、そして強さが垣間見られるようだ。

デビューして約10年。表現の幅が広がったからこそ見えてくる現実の世界。上質な物に憧れ挑戦し続け、そして今回形になったエレガントな女性像。さらにここから新たな「ケイスケヨシダ」が発信されていく。

吉田 圭佑 Keisuke Yoshida
1991年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。
coconogacco(ここのがっこう)、エスモードジャポンを経て2015年にKEISUKEYOSHIDAを設立。
2016年春夏シーズンより東京コレクションに参加。


KEISUKEYOSHIDA
WEB:https://www.keisukeyoshida.com/
Instagram:@keisukeyoshida_official

Courtesy of KEISUKEYOSHIDA
Text : SO-EN 

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