2023年春夏パリ・ファッションウィークで、話題になったブランド、
気になったブランドをご紹介します。
イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)が2023年春夏コレクションを発表しました。
2年半ぶりとなるパリでのショー。冒頭には、今年8月5日に亡くなった三宅一生さんの写真が映し出され、数秒間の沈黙の後、会場から拍手が湧き起こりました。そこに込められていたのはモード界に大きな功績を残した一生さんへの感謝と敬意。エモーショナルなセレモニーに続き、始まったのは静から動へと変化するスペクタクルなショーです。
三宅一生さんの写真が壁に映されたショーの冒頭。この間、会場にはジョン・レノンの「イマジン」が流れていた。
今シーズンのテーマは「A Form That Breathes ―呼吸するかたち―」。彫刻創作から着想されたというコレクションは、彫刻のような形や質感が作られていますが、実際には動くとしなやかで、生き生きとした表情を持っていることがわかります。
会場中央には彫刻をイメージした布の巨大オブジェが置かれ、暗闇の中、スポットライトに照らされたモデルが登場。
「TORSO」と名付けられたシリーズは、一枚の布を使ってハンドワークで彫刻のトルソーの形を表現。しっかりとした生地でありながら伸縮性を兼ね備え、着ることで生まれる立体的なシルエットが特徴です。部分的に円形のプリーツ加工を施したシリーズや尖ったシェイプの無縫製ニットのシリーズなどもあり、いずれもこのブランドならではの精緻な技術と創造性に満ちています。
最後に登場した「NUDE」は、体をイメージした彫刻をニットで表したドレス。前後を逆に着用でき、彫刻を鑑賞するように様々な角度から楽しめるのだそうです。
ショーは躍動感あるダンスパフォーマンスで幕。一生さんが築いたブランド哲学が感じられるコレクションでした。
Photos : ©︎ISSEY MIYAKE INC.
Text : B.P.B. Paris