
――就任後、初となるランウェイショーを無事に終え、率直なご感想をお聞かせください。
スポーツブランドはもちろんのこと、企業の方とショーを行うのは初めてだったので、反応が素直に気になります。僕自身としては、今回は制作期間が約2カ月という短く限られてはいたけど、その中でいい方向に示したいなと思いながら取り組みました。あとは、ベイシックスと合わせて2つのショーがあるので、正直ちょっと疲れたっていうのはありましたね。(笑)
――コレクションを拝見させていただき、スポーツブランドのアイテムをファッションに昇華するということを提示していただように感じましたが、森川さんが今回のコレクションに込めた思いをお聞かせください。
あくまでスポーツブランドであるということを軸として、そこにあるファッションという意識はしていましたね。トラックジャケットの要素はキープしながらビジューを使用するとか。例えると、マクドナルドでもヘルシーなサラダも食べたくなるみたいな考えだったり(笑)。 今のスポーツ市場のことを知ることも大事だなと感じて、リサーチも行っていたんですけど、モードブランドの範囲が狭い一方で、スポーツブランドは年々伸び続けていて。その中で、歴史があるヒュンメルと現代のライブ感を共存させ生かし、同時に、今のスポーツ市場のメリットを取り入れられたらいいなという気持ちから始まったところもあります。

――今回、スタイリングへのこだわりも強く感じられましたが、意識された点はありますか?
スタイリングはめちゃくちゃこだわりました。僕がスポーツブランドのスタリングにこれまであまり魅力を感じなかったこともあったので、自分自身が今“新しい”と感じるスタイルをなるべく取り入れたくて、マイクロミニにタイツを合わせたりとか、ジャージのセットアップだったとしても単純なものじゃなくて、上が極端に短くて下がダボっとしたオーバーサイズだったり。今回、初沢くんとも初めてだったんですけど、スポーツのブランドの制約の中だからこそシルエットで遊ぶみたいな面白さを二人ですごく意識しました。
――ユニセックスを意識したものにはオーバーサイズが多くなる中、体のシルエットがはっきりとわかるようなアイテムも展開されていましたが、その点は計算されていましたか?
アイテムを制作するときは、基本的に同じアイテムを、レディースはスタッフが、メンズは自分で着てみて、そのバランスを見ながら仮縫いをやっていて。メンズだと小さめでもレディースだとちょうどよかったり、その塩梅は意識して確かめています。
――100年以上という長い歴史を持つヒュンメルですが、どういったヘリテージに着眼点を置いて制作を行いましたか?
バンブルビーのロゴマークと、シェブロン柄といったようなブランドのアイコンになる存在は、自分が今まで取り組んできたクリスチャンダダも、ベイシックスも作ってこなかったんです。だから、自分がアイコンマークをやるんだったらこんな感じになるということも表現しつつ、再解釈というところで、刺繍だったり、ビジューだったりクリスチャンダダでやってきた背景も生かしながらデザインとして落とし込みました。


ブランド名の由来であり、ヒュンメルの
シンボルマークでもあるマルハナバチ。

――森川さん自身が考える、ヒュンメルをファッションやモードにする意義とは?
ファッションの中のマーケットとスポーツブランドの架け橋を作っていきたい。二つを組み合わせることで生まれる相乗効果はあるし、もっともっとリンクして繋がっていけばいいかなって思います。ファッションブランドという類の中ででヒュンメル オーというラインの知名度を上げていくことが僕の命題だと思っているので。
もうすでに次に向けていろいろとリサーチを進めています。土に還る素材とか、素材開発というところも今後やっていきたいと思いながらも、そっちに囚われすぎて面白いものを作れないっていうのは嫌なので……。1番は、今回みたいにスタイリングや刺繍に重点を置いて、世の中にヒュンメル オーをアプローチしていきたいです。
HUMMEL 00
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