ドリス・ヴァン・ノッテンの幕引きは、さりげなく盛大に。
2025年春夏パリ・メンズファッションウィークより

6月18日から6日間の日程で、2025年春夏パリ・メンズファッションウィークが開催され、約70ブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの注目のショーや見逃せないトピックスをご紹介します。

今年3月に引退を発表したドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)が、6月22日夜(フランス時間)、38年間のデザイナー人生最後のショーを開催しました。メンズとウィメンズを合わせて通算150 回目となるコレクション、129回目のショーです。

会場となったのはパリ郊外の倉庫。ここは記念すべき50回目のショーで、招待客用のディナーのテーブルがそのままランウェイになるという伝説のスペクタクルを繰り広げた場所です。

今回は、自身が手がける「ドリス ヴァン ノッテン」最後のコレクションとはいえ、懐古的にするのではなく、いつものように何かに挑戦することを望んだというドリス。カクテルパーティで観客をもてなしたのち、いよいよ始まったショーは、銀箔を敷き詰めたランウェイをモデルが歩く演出です。

コレクションの着想源となったのは、ベルギーの現代アーティスト、エディス・デキント(Edith Dekyndt)の作品。透明なガラス瓶の中に日常にあるモノを入れ、時間と素材が変化するなかで、人々を取り巻く世界が動いている過程について考察するというもの。

ショーのトップとラストを飾ったのは、ダブルブレストの細身のロングコート。ソフトな仕立ての優雅でリラックスした雰囲気のこれらは、気張らないショーでありたいというドリスらしいチョイスでした。

きらびやかなマテリアルが豊富に使われたシーズンでもあり、透け感のあるオーガンジーのレイヤード、輝きのあるシアーとマットの組み合わせなど、このブランドならではの素材のコントラストが効いています。華やかな装飾もあちらこちらにちりばめられ、金銀の立体的なレリーフ刺繍に加え、目を引いたのは京都の墨流しの技法を用いた花模様です。プリントのアイテムもありますが、服を縫製した後に伝統的な方法で1点ずつ染めたものも。

ランウェイには初期のシーズンから起用されるお馴染みのモデルたちも登場し、ドリスへの盛大な拍手で迎えたフィナーレ。興奮の渦のなか、カーテンが開くと巨大なミラーボールが現れるというもう一つのサプライズも待っていました。

下記は今季のプレスリリースに綴られたドリスの言葉。

インビテーションは、キーカラーのシルバーに“LOVE”の文字。
さりげなく盛大な幕引きを行なったデザイナーの愛は、確実に未来に引き継がれていくことでしょう。
ありがとう、ドリス!

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