6月21日から6日間の日程で開催された2023年春夏パリ・メンズ・ファッションウィーク。フィジカルイベントが増えた今シーズンは、40ブランドがパリを舞台にショーを実施。待望のリターン組、初ショーを行った新星デザイナー、パワフルなラグジュアリーブランドが一堂に会し、尽きない創造性を披露した刺激的な一週間だった。
WALTER VAN BEIRENDONCK
ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクが見せたファッションの力と希望の光
毎回パワフルなショーでファッションの魅力を伝えているウォルター・ヴァン・ベイレンドンク。久しぶりのフィジカルショーとなった今回、彼がコレクションに込めたのは平和へのメッセージだった。
会場はマドレーヌ劇場。幕が上がると、舞台には不気味な黒い布で覆われたモデルたちが並んでいる。次の瞬間、布が剥がされ、軽快な音楽と共にショーが始まった。
登場したのは、白、黒、ゴールドをはじめ、ビビッドグリーンやイエローなど鮮やかな色彩のルック。フリル、リボン、エリザベスカラーなど、宮廷風な装飾が印象的で、着方をアレンジできるスカラップカットの袖のブルゾンなども提案された。
モデルたちが力強く行進したショーのフィナーレは、劇場の天井が開き、青空が現れるという演出。ダークな世界の先に明るい未来があることを予見させる、希望に満ちたショーだった。
フィナーレにピース・プリントのTシャルを着て登場したウォルター・ヴァン・ベイレンドンク。©B.P.B. Paris
Text:B.P.B. Paris