1月17日から6日間の日程で2023-’24年秋冬パリ・メンズコレクションが開催され、78ブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見ブランドやトピックスをご紹介します。
GIVENCHY
ジバンシーはメンズファッションの原型を再考
“新しいフォーマル”、“ドレスコードの変更”、“クラシックの進化”がキーワード。アーティスティック・ディレクターのマシュー・M・ウィリアムズは、現代の様々な男性らしさの表現というプリズムを通して、メンズファッションの原型を再考し、新たな価値を見いだした。
序盤に登場した究極にミニマルなブラックスーツは、オートクチュールのアトリエで作られたもので、裾がほつれていたり、細長いシルエットになっていたりと、ドレスコードのパーソナライズをテーラリングで表現。
ボリュームの遊びも今シーズンの特徴で、ゆったりしたシャツに細身のスウェットを重ね、カットしたパンツをボトムにオンするなど、多彩なレイヤールックを見せる。切り裂いたカーゴパンツはスカートになり、日本の「BORO」のつぎはぎ技術で再構築されたデニム、背中にペイントが施されたフライトジャケットもある。
スネークスキン、チータープリント、フェイクウルフファーなど、コレクションに華やかさを添えたマテリアルは、ユベール・ド・ジバンシィが愛したインテリアのパターンやテクスチャーからインスピレーションを得たもの。デニム、フリース、ジャージなどのカジュアルな素材も多用され、ブリーチやダメージ加工のアクセントが個性を引き立てていた。ウィリアムズが得意とするエッジの効いたクリエイションが冴える。
Text:B.P.B. Paris