穏やかで不思議なボケの畠中さんと、独特の語り口調と鋭いワードセンスでつっこむ伊藤さんによる漫才が人気のコンビ、オズワルド。数々のテレビ番組への出演を行いながら、2024年はコンビで『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』で声優に初挑戦し、活躍の幅を広げている。人気・実力を兼ね備えたオズワルドに、ブリティッシュトラッドをベースにしたクラシックスタイルを、現代的に更新したルックをまとっていただいた。お二人自身のファッション観や、衣装の変遷を尋ねるインタビューとあわせてお届けします。

——今回、『装苑』11月号にて、お二人のクラシカルなイメージをアップデートした、秋冬のスーパーレイヤード（重ね着）スタイルをテーマに掲げたお洋服を着ていただきました。着用されてみて、いかがでしたか？

畠中悠（以下、畠中）　やっぱり日々クラシカルをイメージしてやっていたので、さすが『装苑』さん、わかってくださっていたんだなと……。

伊藤俊介（以下、伊藤）　いや、何が何やらさっぱりでされるがままでしたよ。なんてったって枚数が多い！あんなに着せるんだって。あれだけ自分たちに服を着せ付けているスタイリストさんが短パンにTシャツ一枚しか着ていないのが、ちょっと許せなかったですね。

畠中　今回の撮影であれだけ重ねて着てたら、私服に戻った時に枚数が少なくてダサいなって思いました。服って重ねれば重ねるほど良いんだって発見でしたね。

伊藤　いや、あれ私服で着てる人いないでしょ。どこのパーティにいますか、ああいう人。

畠中　でもやっぱり秋冬が楽しみです。寒いとあれくらい着てもいいと思うんですよね。ダウンで暖を取るのではなく、枚数で暖を取るっていう。昔の十二単もそういうことですもんね？

伊藤　ねぇからな、昔ダウンは。ダウンがありゃそれを着たほうが良いんだよ。

——今後、挑戦してみたいファッションはありますか？

伊藤　本当に恥ずかしくてつけれないんですけど、いつかサングラスをつけられるようになりたいです。サングラスって周りに身バレしないようにかける感じがするじゃないですか。身につける人のランクがあると思っていて、ちょっとまだ俺のランクでつけていいのかと躊躇してしまいます。知らねぇよお前なんてっていう。十年後くらいにかけられることを目指したいですね。

畠中　僕はイギリス人がよく着ている肩パッドが入ったジャケットが好きで、この前買ったんですけど似合わなくて……。イギリスのおじいちゃんが格好良く、普段着でさらっと着ているようなブリティッシュスタイルに憧れます。あとは今回の撮影で学んだ重ね着ですね。最低7枚は重ねていきたいですね！

伊藤　いや、俺はもう重ね着は今回の撮影でこりごりです。

畠中　やっぱりオシャレは我慢ってよく言いますからね。

伊藤　多すぎ！

——現在の漫才衣装について教えてください！

左：2023年4月に芸歴12年目を機に、ジャケットスタイルに変更。右：今年の4月にさらに衣装を新調。
（写真：オズワルド公式Instagram@ozw54321【公式】オズワルドさんの日常より）

畠中　1年ほど前に長年親しんできたサスペンダースタイルからジャケットスタイルに変えましたが（写真左）、その時も二人でサスペンダースタイルはもうやめようって話になって。

伊藤　サスペンダーをやめられたらもうなんでもよかった。

畠中　もう3年くらいサスペンダーでやってたね（笑）。

伊藤　前のサスペンダー衣装も毎年少しずつ変えていて、最初はシンプルな白シャツに始まり、次にクラシックな感じ、最後はスーツ寄りっていう風にどんどんグレードアップしていったんですけど、もうこれ以上やりようがなかったというか。

畠中　サスペンダーは、皆さんに印象づけるという意味では凄く良かったのですが、純粋に漫才師のジャケットスタイルがカッコいいなと思い、スーツスタイルの衣装に一新しました。そして今年の4月にも衣装を変えまして（写真右）、モグライダーの芝さんとか、真空ジェシカの川北、ナイチンゲールダンスの中野なかるてぃんたちと一緒に洋服屋さんに行って、これいいんじゃんってみんなで見ながら決めましたね。形と生地違いの上下スーツにネクタイを色違いで揃えた感じです。

——どんなに衣装を変えても、胸元の囲碁将棋さんのピンバッジは変わらないですね。

畠中　あれは囲碁将さん主催の「以後勝利」という漫才ライブに、ダイタクさん、ニューヨークさんと参加した時にいただいたもので、僕らは囲碁将棋さんをめちゃくちゃ尊敬して、お二人を東京の漫才師のボスとして慕っているので、忠誠の意味でつけ始めました。僕らがつけ始めてから「以後勝利」のメンバーじゃない人もバッジをつけ始めていて……（笑）。

伊藤　意味ないですよ。裏切り者です。

畠中　大阪よしもとの「もも」もあのバッチをつけていたので、東京・大阪関係なく囲碁将棋さんをリスペクトしている芸人が多いということですね。今後も囲碁将棋さんへの尊敬の念を込めてバッジをつけ続けていくつもりです。

発売中の『装苑』2024年11月号では別カットを掲載し、ファッションへの熱い思いや、憧れる芸人さんの衣装や私服などについてインタビューしています。ぜひ、チェックしてみて！

photograph ：Kenta Karima / styling : TAKURO / hair & make up : Saiko Hayashi / interview & text : SO-EN

（畠中さん着用）中に着たニット¥63,800 、コート¥176,000 ダブレット（共にエンケル）、中に着たジャケット¥118,000 オーバーコート(株式会社 大丸製作所3)、中に着たレザーパンツ¥185,000 カズキ ナガヤマ（スタジオ ファブワーク）、ショーツ¥30,800 リコール（エスティーム プレス）、シューズ¥93,500アシックスランウォーク(アシックス商事株式会社　お客様相談室）

（伊藤さん着用）中に着たレザータイシャツ¥41,800、半身ジャケット¥46,200、アシンメトリースカート 参考商品 リコール（全てエスティーム プレス）、テーラードジャケット¥140,800、パンツ¥98,890 ダブレット（共にエンケル）、シューズ¥40,700アシックスランウォーク（アシックス商事株式会社　お客様相談室）

【お問い合わせ先】
アシックス商事株式会社　お客様相談室
TEL 0120-777-591
エスティーム プレス
TEL 03-5428-0928
エンケル
TEL 03-6812-9897
株式会社 大丸製作所3
TEL 03-6450-6301
スタジオ ファブワーク
TEL 03-6438-9575