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横山裕一さんが約10年ぶりの個展「アースデイ」を開催。

2024.01.18

《禅刹》2018年、襖にアクリル、マジック、H182xW289cm

©︎Yuichi Yokoyama, Courtesy of ANOMALY

疾走感のある描線やオノマトペ、性別も国籍も超えたキャラクターなどを特徴とし、「ネオ漫画」と称される数々の作品を手がける作家、横山裕一さんが約10年ぶりとなる個展「アースデイ」を1月27日(土)から2月24日(土)まで開催。

展示では、最新の絵画《協力》(2023年)、立体作品《アースデイ》シリーズ(2023年)が発表されるほか、東日本では初披露となる襖絵《禅刹》、過去の代表的な絵画作品、ドローイングや漫画原画などが一堂に会す。

《アースデイ 1》2023年、プラスチック、発泡スチロール、アクリル、マジック、石、H34.8xφ35cm

©︎Yuichi Yokoyama, Courtesy of ANOMALY, Photo by Ichiro Mishima

横山さんの作品には明確なストーリー展開はなく、性別、年齢、国籍、時代を超越した人物が登場する。最小限に抑制された意味不明な会話や、非友好的で目的不明な行為、謎の物体が移動したり変形する様子が描かれる。

『PLAZA』2019年、888ブックス、p.211

©︎Yuichi Yokoyama

「横山裕一ネオ漫画の全記録:わたしは時間を描いている」展示風景、川崎市市民ミュージアム、神奈川、2010年

それらは、まるで人間以外の生物の俯瞰的視点でこの世界を観察、記録しているかのようで、人間の倫理や規範、それに基づいた生活環境、行動や感情、性別や職業はおろか、時間という概念すら意味を成さない。

「ドドドドド」、「ワーワー」、「ゴオオオ」などのオノマトペが繰り返し配されることにより、鑑賞者は時にハーシュ・ノイズ※を浴び続けた時のような、空間と時間の感覚を消失するような興奮と没入の感覚が得ることになる。

《三人 (わたしたち)》2013年、紙にスクリーントーン、H36xW46.5cm

©︎Yuichi Yokoyama, Courtesy of ANOMALY

絵画作品では、漫画の世界とは対照的な静止したような世界が描かれる。ドローン(持続音)のようにその余韻だけが永遠に続くかのような不穏な画面で、明示されない物語の導入や、何か巨大な謎を感じとることができる。

《タンカーと高層マンション》1992年、板に油性ペンキ、マーカー、ニス、H180.4xW274.5cm

©︎Yuichi Yokoyama, Courtesy of ANOMALY

2月17日(土)には、キュレーターの金澤韻さんを迎えたトークイベントも開催。

世界中で翻訳出版がされるなど、国内ならず海外でも評価される横山裕一さん。代表作品をはじめ、絵画、立体作品を直接見ることのできる貴重な機会を見逃さないで!

※金属片やシンセサイザー、もしくはミキサーフィードバック等を発信源にしてギターペダルやミキサー、アンプでそれらを増幅変調させた途方もない爆音のノイズ。


横山裕一 個展

「アースデイ」

日にち:2024年1月27日(土)〜2月24日(土)

場所:ANOMALY

   東京都品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex 4F

時間:12:00〜18:00

休廊日:日、月、祝

WEB:http://anomalytokyo.com/exhibition/yuichi_yokoyama_earth-day