【もっと知りたい!フランスの田舎のミュージアム】
偉大なクチュリエの創造の源へ / グランヴィル編(前編)

2021.10.14

フランスの地方には、意外と知られていないステキなミュージアムがいっぱい。その土地に根づいた伝統工芸、アート、モードと共に、町の魅力も発見してみて。

Musée Christian Dior – Grandville
クリスチャン・ディオール美術館 – グランヴィル

クリスチャン・ディオールは、パリのエレガンスを象徴するコレクションを発表し、伝説となったクチュリエ。その彼が幼少期を過ごした邸宅「レ リュンブ(Les Rhumbs)」が、ノルマンディ地方のグランヴィルにあります。

ディオール一家はクリスチャンが生まれた翌年の1906年に「レ リュンブ」を購入。元々は19世紀末に建てられたブルジョワの邸宅で、母マドレーヌによって外壁が淡いピンク色に塗られた。この色は「ディオール」のアイコンカラーの一つとなっている。

1997年より「クリスチャン・ディオール美術館」として使われているここは、イギリス海峡を臨む高台にあり、花をこよなく愛した母親とディオールが作り上げた庭園が、当時のまま残されています。「レ リュンブ」での暮らしは、後に世界的なクチュリエとなるディオールに多大なインスピレーションを与えました。

「レ リュンブ」から見る海。クリスチャンもこの景色を眺めていたことだろう。

現在、美術館ではディオールが最も好んだ花の一つであるバラに焦点を当てた「ディオールとバラ(DIOR AND ROSES)」展を開催中。バラの魅惑を通して、クチュリエのプライベートな生活からオートクチュールのクリエイションの源までを紐解きます。

美術館の入り口。

敷地内に入るとクリスチャン少年がお出迎え。写真は1912年頃に撮影された。

バラがモチーフになったクリスチャン・ディオールのオートクチュール作品。奥にはディオール一家の記念写真が展示される。夫妻には5人の子供がいて、クリスチャン(左端)は上から2人目。

居間の暖炉の上に飾られた家族写真からは、裕福だった彼らの暮らしぶりがうかがえる。

写真左:クリスチャン・ディオール、昼のアンサンブル「ローズ ローズ」。バラの花びらが一面にプリントされていてロマンチック(1956年春夏オートクチュール)。右:同モデルは1956年3月5日号の『ELLE』の表紙を飾った。Musée Christian Dior, Granville © Droits réservés

展覧会では「Dior」の後継者たちの作品も紹介。写真左:ウィメンズの現アーティスティック ディレクター、マリア・グラツィア・キウリが手がけたドレス(2020年プレタポルテ)。右:ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌによるハイジュエリーのネックレス。バラが生き生きと表現されている。Dior Haute Joaillerie par Victoire de Castellane, 2011 © Dior

ギャラリストだった時代もあるクリスチャン・ディオールは、芸術への関心が高く、多くのアーティストとも交流があった。写真は、ディオールの別荘「ラ・コル・ノワール」のゲスト帳に描かれたマルク・シャガールの直筆のイラスト。

ジョン・ガリアーノによる1998年春夏オートクチュールのアンサンブル。

庭に咲いた花のような色とりどりのカクテルドレス。左からクリスチャン・ディオール(1957年春夏オートクチュール)、ジョン・ガリアーノ(2009年秋冬オートクチュール)、イヴ・サンローラン(1958年プレタポルテ)の作品。

クリスチャン・ディオールによる1957年秋冬オートクチュールのカクテルドレス。

「ミス ディオール(Miss Dior)」の展示。クリスチャン・ディオールが1947年に創作した最初のフレグランスで、末の妹カトリーヌが着想源になった。

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