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パリでVIVA TECHNOLOGY 2024が開催
5月22日から4日間に渡り、パリで世界最大級のテックイベントVIVA TECHNOLOGY 2024が開催された。
VIVA TECHNOLOGYは、国内外の大企業や有力スタートアップが集まるテクノロジーの見本市。今年、日本はCountry of the Yearの特別招待国に選ばれ、Japanパビリオンに約60社の日本企業が集結した。
LVMHイノベーションアワードで日本企業が初受賞!
2日目に開かれた第8回LVMHイノベーションアワード(LVMH Innovation Award)のセレモニーでは、日本から参加したヘラルボニー(HERALBONY)が「Employee Experience, Diversity & Inclusion(従業員経験、多様性、包括性)」部門賞を獲得。同アワードにおける日本企業初の受賞を果たした。
これを機にヘラルボニーは、LVMHのインキュベーター「La Maison des Startups LVMH」に参画。7月を目処にフランスに現地法人を設立し、9月よりパリ13区にあるスタートアップ集積施設「Station F」に初の海外拠点を構えて事業を展開していく。
スタートアップ企業を支援するLVMHイノベーションアワードは2017年に設立。今年は、過去最大の89カ国、1,545社からエントリーがあったそう。写真はLVMHの会長兼CEOのベルナール・アルノー氏。
会場内メインステージで、トロフィーを受け取るヘラルボニー海外事業責任者の小林恵さん。
受賞したスタートアップ企業は、LVMHグループの投資専門家の支援とアドバイスを受け、LVMHと傘下メゾンとのパートナーシップを発展させることができる。
ヘラルボニーのスタンドより。老舗紳士洋品店「銀座田屋」とのコラボレーションによるジャカード織りのネクタイなどを展示。ネクタイはヘラルボニーが最初に手がけたプロダクト。
株式会社ヘラルボニーとは?
自閉症の兄を持つ双子の松田崇弥と文登により2018年に設立。国内外の主に知的障害のある作家が描く2,000点以上のアートデータのライセンスを管理し、障害のイメージを変えることを目的に活動。異彩作家とともに新しい文化をつくるべく、アパレルを含む様々な事業を展開する。支援ではなく対等なビジネスパートナーとして、作家の意思を尊重しながらプロジェクトを進行し、正当なロイヤリティを支払う仕組みを構築。今年、作家のキャリアの芽生えに貢献する芸術賞として「HERALBONY Art Prize」を創設、5月には新ライン「HERALBONY ISAI」を発表。
ヘラルボニー最高執行責任者の忍岡真理恵さん。
「このアワードはスタートアップにとっての登竜門です。今回の受賞で与えていただいたチャンスを最大限に活かして、パリを中心にヨーロッパで事業を展開していきたい」と、最高執行責任者の忍岡真理恵さん。ヘラルボニーは150人以上のアーティストを抱えるが、原画そのものを売っていこうとすると彼らに負担がかかってしまうため、知的財産のライセンス契約をして様々な製品に使用することで、安定した収入に繋げることを目指している。
「まずは、アーティストに注目してもらいたいという思いがあります。こんなにすばらしいアーティストたちがいるということを。彼らを世界に輩出していきたいというのが私たちの夢です」
LVMHのブースでは、パリ2024オリンピック・パラリンピックのユニフォームなども紹介
また、パリ2024オリンピック・パラリンピックのプレミアムパートナーでもあるLVMHのブースでは、ファイナリストのスタンドが集められ、グループ傘下のメゾンが制作した選手団のユニフォーム、メダル、トーチ・トランクも紹介。来場者の注目を大いに集めていた。
LVMHのパリ2024のスタンドより。
ベルルッティ(BERLUTI)が手がけたフランスチームのユニフォーム。キーワードは「快適さ」と「優雅さ」。
メダルのデザインはショーメ(CHAUMET)が担当。
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が製作したトーチ・トランクの展示も。
Photographs:濱 千恵子 Chieko Hama
Text:B.P.B. Paris