「Feel the earth」をスローガンにフィッシングのトップブランドであるDAIWAを展開し、地球とつながる深い感動を提供するグローブライド株式会社。メーカーとして最高の品質を追求するとともに、地球をフィールドにしたスポーツを通じ人生の豊かな時間を提案する企業として「BE EARTH-FRIENDLY」と題した環境保全活動を数多く行っている。

「BE EARTH-FRIENDLY」プロジェクトの一貫である『漁網アップサイクルプロジェクト』。今年の3月に表参道ヒルズにて行われた漁網を用いたアップサイクルアイテムの展示に引き続き、第2弾が始動した。

第2弾はファッションの教育機関「文化学園」、国立総合芸術大学「東京藝術大学」と連携。「文化学園」の学生が廃棄漁網リサイクル素材を60％以上使用することを条件にファッションアイテムを制作し「東京藝術大学」の学生が会場構成を行って、8月29日から9月3日まで開催された「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023S/S」公式会場の渋谷ヒカリエ8/COURTにて表彰イベントと作品展示が行われた。

「Filet」と題した会場構成を行ったのは東京藝術大学、金田充弘研究室の上村陽風さん、酒井隆宏さん、谷口茉優さんの3名。細いナイロン糸で作られた漁網とテントポールを組み合わせて制作し、網の伸縮性と重力により生まれる曲線を生かした構成は、ブルーの照明で照らされる会場との一体感で自ずと海を連想させるクリエーションを見せた。

初日の9月1日に行われた表彰イベントでは、モデルや情報番組で活躍中のトラウデン直美さん、グローブライド株式会社執行役員フィッシング営業本部アパレルマーケティング部⻑小林謙一さんをはじめ、JFWO事務局⻑の古茂田博さん、WWDJAPAN 編集統括サステナビリティ・ディレクターの向千鶴さん、D-VEC クリエイティブ・ディレクターの佐々木勉さんら審査員5名による審査結果が発表・表彰された。

最優秀賞は、高田綾さんによる「alignment 連携」。アップサイクル素材でウェディングドレスが制作されるくらい、サステナブルが浸透することを願い制作したという作品は、軽量な漁網素材を繊細な軽やかさへ変換した視点が新鮮。

高田綾「alignment 連携」

優秀賞は竹内大樹さんの「ATLANTIS」と、鍾 慧（ショウ ケイ）さん、李 青雲（リ セイウン）さん、朱 玲之（シュ レイシ）さんの共同作「海の世界から生まれ変わるアップサイクル」。

審査員を務めたJFWO事務局⻑の古茂田さんは独創性・デザイン性が評価のポイントになった、トラウデンさんは今すぐにでも販売できる完成度。スポーツライクにも、セットアップでおしゃれをしたい時にも着用でき、サステナブルを当たり前に考えた作品。とそれぞれの受賞作について語った。

また、特別に審査員特別賞枠が設けられ2作品が選出。漁網を表現に落とし込むため、手作業で一つ一つ施したキルティングデザインと影によるディテールのユーモアが評価された堀内華乃さんと丸山ひな子さんの共同作品「GYOMOU QUILT」と、グローブライド株式会社執行役員の小林さんからサステナブルを理解したDAIWAらしい作品であると好評を得たイ・チャンミンさんの「Seam Sealed Gear シームシーリングギア」が特別賞に選ばれた。

最優秀賞となった作品「alignment 連携」は商品化され、D-VEC TOKYO EXCLUSIVEにて販売を予定。最優秀賞1作品と優秀賞となった2作品及び審査員特別賞2作品はDAIWA Apparel Showroomにて展示される。

学生が環境保全活動に参加をするきっかけづくりと、ファッション業界の未来を担うデザイナーが世界に羽ばたく手助けができればと発足したこのプロジェクト。

トラウデンさんは、社会と繋がることができる産学連携のプロジェクトは貴重な経験であるとともに、ファッションのもつメッセージ性と、人の思いで繋げていくサステナブルプロジェクトは、共通のものがあると熱い思いをコメントした。

参加者が実際に手を動かし取り組んだ今回のプロジェクト。このような環境問題を、新しい価値創出へポジティブ変換できるという認識が拡大していくことに期待が高まる。