©︎CFCL In
高橋悠介さんが手掛ける「CFCL(シーエフシーエル)」が、金沢21世紀美術館の開館20周年を記念して、同館のユニフォームをデザイン。同館の建築の象徴的な要素を取り入れた、新しいユニフォームが完成した。
「新しい文化の創造」と「新たなまちの賑わいの創出」というコンセプトを掲げ、2004年にオープンした金沢21世紀美術館。世界中の観光客や美術関係者が注目がする同館に、高橋さんは学生時代から足繁く通っていたという。
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スタッフが持つ携帯電話やメモ帳、パンフレットが入り、出し入れしやすい仕様。脇のスリットを深く入れ、着席する監視スタッフでもシルエットが崩れないように配慮した一重仕立てで軽やかなチェスターコート。さまざまな体型、年齢層のスタッフにフィットするデザイン。
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夏用のユニフォームには、ビッグTシャツを採用。ハリのある素材で大胆なグラフィックを保ち、薄着でも体型やインナーのラインを拾わないサイズ感。汗をかく夏でも洗濯機で洗え、耐久性も実現した。
新ユニフォームのベースとなったアイテムは、チェスターコートとTシャツ。これらを性別や年齢を問わず、あらゆる体型にフィットするゆったりとしたシルエットにし、ユニフォームを着用する現場スタッフの意見を取り入れて快適さと機能性を両立させた。耐久性やイージーケアといった実用性も重視されている。
意匠には建物の水平ガラスをイメージした涼しげなボーダーに加え、柱を彷彿とさせるオレンジのストライプが背面に配されている。これにより、空間に馴染みながらも、遠くからでも視認しやすい機能を備えた。チェスターコートとサコッシュは再生ポリエステル100%、Tシャツはコットン・イン・コンバージョン(*1)75%と再生ポリエステル25%の交撚素材を使用し、すべてのアイテムが日本で生産された。
*1: オーガニックコットンと同じ方法で栽培されているものの、土壌の健全化には一定の期間が必要という理由で、栽培を開始してから約3年の期間を経ていないコットン。
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この制服を着用したスタッフが、今後10年間にわたり、来館者を迎え入れることになる。金沢21世紀美術館の建築の要素を現代的なデザインの衣服に昇華したユニフォームが、訪れる人々に新たな印象を与えそうだ。