毎年2万人の来場者でにぎわう文化服装学院の文化祭が、11月2日(金)から4日(土)までの3日間、開催されます。そのメインイベントのひとつであるファッションショーが創立100周年を迎えパワーアップ!ショーとともに注目したいのは、今年初めて制作されるスペシャルブック。これまでのファッションイラスト画によるパンフレットに代わり、今年は、学生作品をファッション撮影したスペシャルブックを500部限定で発売。撮影を世界的写真家のレスリー・キーが手がけ、アートディレクションをれもんらいふの千原徹也が担当。装苑ONLINEでは、デザイナーからフィッター、ヘア&メイクにモデルまで全て学生が担当した、そのスペシャルブックの撮影現場に密着。学生作品のエネルギーと、レスリー・キーのパワーがぶつかりあう現場の様子をお届けします!
photographs : Jun Tsuchiya(Back Stage, B.P.B.), Leslie Kee(SIGNO)
10月11日(水)11:30 撮影準備
装苑のカメラがバックステージに入ると、既にフィッターの学生たちが集合しており、撮影に向けた準備が行われていた。今年のファッションショーは「eR(エル)」をテーマに6つのシーンで構成され、全64体の個性あふれる作品が登場。スタジオには実際にショーで着用する作品の写真がボードにずらりと貼られていた。写真の下にはデザインを手がけた学生と製作者の名前が。
体数番号とデザイナー・製作者の名前が書かれたボード
ファッションショー同様、スペシャルブックの撮影もヘア&メイクからモデルまで全て学生が担当した。スタジオの外ではフィッターの学生たちがモデルに作品を着せており、慌ただしい雰囲気が漂う。
12:00 撮影スタート!
文化学園のスタジオに来るのは約20年ぶり!と懐かしむレスリーさん。準備ができたモデルから順次撮影を始め、モデルたちはレスリーさんからポージングの指導を受けつつ、次から次へとポーズを決めていく。
最初に撮影したルックはこちら。服飾専攻科技術専攻 広瀬純名さんの作品。インパクトのあるシルエットと、とげとげしい大きな袖がポイント。
モデルが持っている枕を生かしたポージングを提案するレスリーさん。
撮影時にはデザインを担当した学生も呼ばれ、その様子を自身のスマートフォンで撮影したり、ディテールを整えたりしていた。緊張感はありつつも、リラックスした雰囲気で撮影が進む。
デザイナー:服飾専攻科技術専攻 赤澤雛子
デザイナー:アパレルデザイン科3年 柳生桃子
シュールな要素に加え、ガーリー、ダーク、ファンタジーの4つの要素が混ざり合った、遊び心溢れるルックが並ぶ4シーン目の「Sur fantôme」。このシーンでは、国や地域の違う3つの団体とコラボレーションし、3種のオリジナルテキスタイルを制作。ファッションテキスタイル科の学生が糸の選定から織組織まで担当した。写真のセットアップとジャケットは、尾州・小塚毛織株式会社のカットジャカードを使用している。
デザイナー:アパレル技術科2年 萩原帆南、バッグ制作:服飾専攻科デザイン専攻 白岩美来
負の感情を抱えながら現代社会を生きる人へ向けた新たなリアルクローズを提案する5シーン目の「stay sober」。このモデルが持っているバッグは、どこでも持ち運び可能なネックピローバッグとしてデザインされたもの。取り外すとネックピローとして使うことができる仕様に。
撮影した写真はその場でチェック。スタイリッシュな仕上がりに学生たちも嬉しそう!
中にはレスリーさんと談笑する学生の姿も。
今回のファッションショーのメインビジュアルにも登場している、ファッション流通科1年の森脇貴志さん。ショーのオープニングを飾る重要なルックということもあり、レスリーさんの撮影にも、自然と熱が入る。
中世の王族をイメージしたゴージャスなメンズドレスが並ぶファーストシーン「Less is More」の撮影中にアートディレクターの千原徹也さんが登場。レスリーさんやアパレルデザイン科の森本慧先生と打ち合わせを行い、最後は2人で記念撮影!
レスリーさんが撮影した写真を次々にその場で印刷し、壁に貼っていく。
これまでのシーンは1人ずつ撮影していたが、赤と白のドレスが印象的なラストシーン「The Real You」は、2人並んで撮影。ドレスのボリュームに対して、イメージ通りの画を撮るために何度かポージングを試行錯誤。
18:45 撮影終了!
予定より早く撮影が終了。レスリーさんも学生たちも思わず拍手。
撮影した写真を確認するレスリーさんと森本先生。セレクトには付箋が貼られていった。
最後は学生や先生たちと記念撮影!手でハートを作ってパシャリ。
お疲れ様でした!
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