佐久間由衣がまとう、
ミキモト ハイジュエリーコレクション2023

2023.07.28

ハイジュエリーに合わせて
装苑賞受賞の大下彩楓さんがドレスを制作
ドレス完成までをレポート

前ページで佐久間由衣さんがハイジュエリーとともに着用したドレスは、2022年に第96回の装苑賞を受賞した大下彩楓さんが今回のために制作したオリジナルのドレスです。長年装苑賞の協賛として参加いただいているミキモトが、大下さんの作品に感銘を受け今後の活動を応援するべく今回の取り組みが実現することになりました。ドレスを制作するスタートの段階から、作品が出来るまでを追いかけました。

大下彩楓 Ayaka Oshita
岐阜県出身。
岐阜県立大垣桜高等学校卒業。
2020年、国際ファッション専門職大学国際 ファッション学部名古屋ファッションクリエイション・ビジネス学科入学。
2022年、第96回装苑賞受賞。
現在、国際ファッション専門職大学4年次在学中。

2022年10月14日 キックオフ

ミキモトのオフィスにて、最初の打ち合わせ。ハイジュエリーのコレクションについて、そして今回のテーマやドレスに求めるものなど、PRスタッフより説明を伺う。

2022年11月11日 デザイン画提出

前回の説明を受けて、大下さんによるポートフォリオが作成された。“海”というテーマから着想を得たデザイン画は9枚。そしてイメージに近い布で、ポイントになるモチーフも作られた。

(左)ミキモトからは装苑賞の作品と同じように、透明感やクリーンなイメージが求められた。それを踏まえて提案されたのは、波打ち際に寄せる波や、美しい海の生物のディテールをドレスに表現したデザイン。これは実際のドレスのデザイン画。(右)白からブルーのグラデーションで、ドレスのディテールをチュール素材でシュミレーションしたパーツ。

2022年12月26日 トワルチェック

(左)シーチングや、実際に使用する布に近い素材で作ったトワル。ボリューム感や、ジュエリーをつける際に重要になってくる胸もとのラインなどもチェック。(右)パーツ部分を別に制作し、全体のイメージを膨らませていく。

2023年3月14日 仮縫い

実際の布を使用したドレスが完成。スカート部分のボリューム出しなど、微調整が必要なものの、大きな変更はなし。布の裏の始末などをして完成に。

(左)この時点でジュエリーはまだ未完成。ミキモトのスタッフはジュエリーのデザイン画をドレスに合わせて細部を確認。(右)違うデザインのハイジュエリーネックレスでバランスを確認。

2023年の新作ジュエリーでコーディネートチェック

デコルテを美しく見せる位置に、本番のハイジュエリーをセッティング。

ドレスの胸もとの開きに合わせて、ネックレスのつけ方をさまざまに工夫して。

貴重な機会をいただけたことへの感謝の念が尽きません。ミキモトのハイジュエリーに関することや、一つのコレクションが世間に発表されるまでの過程など、現場に入ってさまざまなことを学ばせていただきました。技術の詰まったハイジュエリーを引き立てるドレスに仕上げるべく、シルエットや素材など細部までこだわり全力を尽くして制作したので、多くの人にミキモトの新作コレクションの魅力が伝わるよう心から願っております。

――― 大下彩楓 ―――

photographs : Josui Yasuda、Norifumi Fukuda、Jun Tsuchiya (B.P.B.)

ヴァンドーム広場にあるパリ店での展示会

ハイジュエリーコレクション「Praise to the Sea」が披露されたのは、ジュエラーの聖地、ヴァンドーム広場にあるMIKIMOTOパリ店。会場には、海をテーマに波や水面を思わせるペーパーワークが装飾され、きらめくジュエリーを引き立てていました。MIKIMOTOといえばパールですが、これまでの長い歴史の中で顧客に愛されてきたのは、パールを使ったジュエリーだけではありません。今回の新作では、ダイヤモンドやカラーストーンをメインに用いたデザインも豊富で、クジラ、小魚、サンゴ、ウニなど、海洋生物をイキイキと表現。神秘的な海の物語へと来場者を誘いました。

グラデーション状に美しく配置されたパールのネックレスは、魚が群れをなして泳ぐ姿を投影。クラスプ(留め具)が見えない構造になっていて、色とりどりの魚の大群がパールの波の中を途切れなく周回しているイメージです。大粒の白蝶真珠のピアスにはカラーストーンをちりばめて、回遊する魚たちを繊細に描いています。

ひときわ注目を集めていたのは、佐久間さんも着用したクジラのネックレス。

優雅に泳ぐ2頭のイルカに導かれ「Praise to the Sea(海への賛美)」の世界へ。イルカの背中に配置されるのは19ミリの白蝶真珠。

タコ、ヤドカリ、ウニ、ジンベエザメをモチーフにしたブローチ。今にも動き出しそうな描写と緻密な職人技に感嘆!タコの頭とヤドカリの殻には、それぞれ形がぴったりの白蝶真珠と天然淡水真珠が使われています。

海を表現した展示の様子。

ヴァンドーム広場8番地にあるMIKIMOTOパリ店。

photographs : Chieko Hama
text:Mariko Mito(B.P.B. Paris)

「Praise to the Sea」は、2023年10月7日(土)から日本より発売を開始

ミキモトのホームページ及び装苑11月号(9月28日発売)では別のモデルが着用し、異なるビジュアルでハイジュエリーコレクションをご紹介しています。是非そちらもチェックを!


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