VIVIANO(ヴィヴィアーノ)
ロマンティックでありながら芯の強い女性。
そんなイメージをバラの花にたとえて。
Rakuten Fashion Week Tokyo 2025 S/S レポート

2024.09.18

スパニッシュ様式を取り入れたコロニアルな雰囲気の小笠原伯爵邸を会場に、ドラマティックなコレクションを発表した「ヴィヴィアーノ」。今回のテーマは「My Garden」。人と自然のマリアージュによって表現された華やかなアイテムの数々だ。可憐で強さをも兼ね備えたバラの花は今シーズンのメインのモチーフで、ヴィヴィアーノの服をまとう女性にもたとえられているよう。そのバラのモチーフはさまざまなテクニックで服に配され、会場がバラの庭園になったかのようだった。

シックな黒のスタイルがオープニングを飾った。タキシードジャケットやスモーキングをアレンジしたメンズライクのアイテムや、ブラトップを合わせたロングスリムラインのスカート。艶感を抑えたコットンリネンのマットな素材が、春夏らしさを醸し出している。シャイニーなサテンで作られたバラのコサージュがアクセントに。

さまざまなバラの花が咲き乱れるコレクションの中で、ひときわ華やかだったのが、金糸を織り込んで、膨れジャガードのようにふんわりしたテクスチャーを表現したジャガード素材。30~40年前の花のモチーフを、かすれたように織ることでヴィンテージテーストを感じさせている。

黒からスタートした今回のコレクションのカラーパレットは、前回のヴィヴィットカラーがメインとなったものとは違い、優しい中間色が印象に残った。新鮮だったのは薄いカーキ。一見レザーにも見える鈍い光沢を放つサテンや、しなやかさを強調させたチュールで登場した。

チュールやレースなどのロマンティックな素材は、ブランドの象徴的なテキスタイル。パールビーズを全体にあしらったチュールやバラの花をプリントしたチュール。先シーズンも使われたヴィンテージ感あるオリジナルレースなど。「ヴィヴィアーノ」らしいテクニックが光る。

コレクションを華やかに盛り上げたものの一つに、16体のドレスラインが登場したことがあげられる。チュール素材のグリーンのグラデーションのドレスや、シャンタンの風合いをもつポリエステル素材を使用したピンクのバラのつぼみのドレス。そして白のマリエなど。ボリュームあるドレスには、クチュールに向き合うことで生まれる手仕事の良さが随所に感じられた。

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