リック オウエンスは、創作の地の記憶を辿って。
2025-’26年秋冬パリ・メンズファッションウィークより

121日から6日間の日程で、2025-’26年秋冬パリ・メンズファッションウィークが開催され、約70ブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見のショーや話題のトピックスをご紹介します

リック オウエンス(RICK OWENS)は、デザイナー自身が22年間通い続けたイタリアの小さな工業都市コンコルディアにちなんで「CONCORDIANS」と題したコレクションを発表しました。生産工場があるそこでの経験を振り返ったのだそうです。

その地ではチームのメンバーたちと、ある種の研究的な孤立生活を送り、時には荒涼とした日々でもあったといいます。
「この閉ざされた生活こそが、奇妙ですばらしいものを追求するために必要だったのかもしれない」とリック。

20年が過ぎた頃、愛用していたキャリーケースを新調。スーツケースメーカー「リモワ(RIMOWA)」に、ブロンズ色の外装と黒革のライニングの特注品をオーダーしたとのことで、今回のコレクションではラゲージタグがネックレスになりました。

Screenshot

アイテムでは、ドラキュラ襟のコートやブルゾン、天然ゴム製のフリル付きトップスやフーディーが印象的。特に目を引いたフリンジ状のレザーアイテムは、3Dアーティストのヴィクトール・クラヴリー(Victor Clavelly)とのコラボレーションです。レーザーカットした革をチェーンのように手作業でつなぎ合わせたもので、独創性が際立っています。

ショーでは、デヴィッド・ボウイの「ヒーローズ(HEROES)」がサウンドトラックに使われ、霧が立ち込める幻想的な世界を旅するように、モデルたちがランウェイを歩きました。

Photos : Courtesy of RICK OWENS / ©RICK OWENS
Text:B.P.B. Paris