pays des fées(ペイデフェ)
漫画家・伊藤潤二の代表作『富江』に
インスパイアされた、
可愛さと奇妙さが交錯するコレクション。
Rakuten Fashion Week Tokyo 2025-‘26 A/W レポート

2025.03.25

朝藤りむが手がけるブランド 、ペイデフェ(pays des fées) の 2025年秋冬コレクションは、デザイナー自身が少女時代から愛読し、敬愛していたホラー漫画家・伊藤潤二の名作 『富江』 とのコラボレーション。テーマは「分裂」。不死の少女・富江が増殖と分裂を繰り返す原作の世界観をオマージュし、恐ろしくも美しい彼女の存在を象徴するコレクションが展開された。

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ショーの舞台となったのは、「小石川病院」と名付けられた病院モチーフのスタジオ。手術室、病室、ナースステーションなどが設えられた不気味な空間のなか、富江に扮したモデルたちが次々と登場した。ジャケット、ワンピース、スラックスといったアイテムには、繰り返し登場する富江のモチーフがあしらわれ、永遠に分裂し続ける彼女の異常性が表現されている。なかでも特に目を引いたのは、ファーストルックから登場した富江を象徴するジャカード織のドレスやジャケットの数々。

血がにじむようなデザインが施されたサテン地のプリントスカートやシャツ。光沢感のあるサテン、オーガンジー、ジャガードといった華やかなマテリアルと、不気味なプリントや織柄のコントラストが際立ち、センセーショナルなコレクションとなった。

さらに、作中の印象的なシーンをプリントしたスウェットやパーカーなど、ポップでカジュアルなアイテムも登場。タッセル付きチェーンベルトや、リボンをあしらったパーカーなどがコレクションを華かに彩った。

原作の世界観を尊重しつつ、ペイデフェならではのユーモアが絶妙に調和。ホラーと可愛さが入り混じる、“奇妙かわいい” を体現した、まさにブランドの集大成ともいえる独創的なコレクションとして幕を閉じた。

Courtesy of pays des fées
Text : SO-EN
Photograph:Motonari Takayama

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