ミニマルなスタイルの中でアンバランスを生み出すMIKIO SAKABE(ミキオ サカべ)
Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 A/Wレポート

2024.03.29

ミキオ サカべの2024年秋冬コレクションは最大規模である4,000人の観客を動員し、国立代々木競技場第一体育館にて開催。今シーズンはここ数年で発表してきたコレクションよりも物語性を出すため、日常生活の延長をテーマに1800年代の歴史的な服のデザイン、パターン、技法、テキスタイルを再現しつつ、基本設計はミニマルに。ところどころにデコラティブな要素もプラスした。経年劣化をしたようなダメージ加工や厚底シューズは、継続的に採用された。

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白、黒、グレーのカラーを中心に、ピンキング(布のほつれ止めや装飾として生地の端をギザギザに切ること)や、スラッシュ(生地に切り込みを入れて裏地などを見せる技法)を特徴的に扱ったシーズン。刺繍が施されたクラシカルなドレスには、人工的なポリエステルのジャージを組み合わせ、ズレや極端なサイズで違和感のあるアンバランスを意識的に作り出した。

また、ジャケットをはじめとするプロダクトの経年劣化と身体との融合をテーマにした2023年秋冬コレクションで発表していた、肩にホコリや塵がかぶったジャケットが今季も登場。経年劣化に見せるダメージ加工のバリエーションは、引き続き模索したいのだという。

さらに、印象に残ったのはヘアメイク。床につきそうなほどの長い髪の毛や、大きなサイズのサングラスで顔が覆われ、ピエロのような不気味さがあるメイクを施されたこのスタイルには「人の顔の個性を消そうと思った。顔を隠すことで、国籍や性別などの情報がなくなりフラットになる。“個”ではなく、“身体全体”を俯瞰して見てほしい」というデザイナー 坂部三樹郎さんの思いが込められた。

新作のシューズとして登場したのは、人気のJEWELRY BUBBLEを改良した「JEWELRY HIGH BUBBLE」。ソールが12センチの超厚底シューズだ。豊富なデザインバリエーションのオリジナルシューズが足元を彩った。

MIKIO SAKABE
WEB:https://mikiosakabejennyfax.store/
Instagram:@mikiosakabe

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