2月26日から9日間の日程で2024-’25年秋冬パリ・ファッションウィークが開催され、100以上のブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見ブランドやトピックスをご紹介します。
マメ クロゴウチ(MAME KUROGOUCHI)のテーマは、破片やかけらを意味する「フラグメント(Fragments)」。先シーズンに続き、陶器が着想源になりました。
デザイナーの黒河内真衣子(Kurogouchi Maiko)は、佐賀で16世紀後半に開花したとされる「古唐津」と、残された数多の陶片からイメージを広げ「身にまとう陶器」をコレクションで表現。自然の色、豊かな質感、ミニマルなシルエット、陶器の柄がその特徴として表れています。
シンプルかつ大らかな線で描かれた絵唐津はボタニカルモチーフのコード刺繍に投影され、斑唐津特有のオーロラを思わせる釉の色味は「むら染め」のアルパカウールのコートに再解釈されました。三島唐津の花紋の印や線彫り文様は、ジャカードドレスやニットピースの柄に。
光沢感のあるシルクウールのワンショルダードレス、オーバーサイズシャツのセットアップは、京都の職人が餅米を生地に塗り、乾燥させる事で生じるひび割れに染色するという、特殊なプロセスを経て陶器の質感を再現。
職人の手の温もり、自然から生まれた陶器の素朴さや美しさが、優雅なシルエットにあふれています。
Courtesy of Mame Kurogouchi
Text:B.P.B. Paris