1月21日から6日間の日程で、2025-’26年秋冬パリ・メンズファッションウィークが開催され、約70ブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見のショーや話題のトピックスをご紹介します。
三原康裕が手がけるメゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)の今シーズンの試みは、パラドックス(逆説)の手法によって、ブランドが約30年間積み上げてきたアイデンティティのコアを再提示すること。
コレクションの代表的なパターンは、大小の異なる2着のブルゾンを上下逆さまにドッキングさせたもの。脱構築の古典的な手法として、パンツのパターンを袖に転化したというアイテムも複数提案されました。全体的にダメージ加工を施していて、ヴィンテージ感満載ですが、こうした構造のユニークさが新たなボリュームを生んでいます。
メゾンのシグネチャーでもあるスニーカーは、アメリカ発のブランド「オートリー(AUTRY)」とのコラボレーションによるもの。レトロなデザインのアイコニックなモデル“メダリスト(MEDALIST)”をアレンジし、ソールを炙り加工で経年劣化させることで履き古した風合いに仕上げています。
ラップミュージックでショーを盛り上げたのは、フランス人アーティストのTake a Mic。中盤から、半透明のスクリーン越しにバックステージの様子が見えるという凝った演出で、ラストに登場したデザイナーが、(動画ではカットされていますが)ホイッスルを吹いて会場を沸かせる一幕もありました。
@B.P.B. Paris
Runway photos : Courtesy of MAISON MIHARA YASUHIRO
Text:B.P.B. Paris