イッセイ ミヤケはプリミティブな空気を纏って。
2024-’25年秋冬パリ・ファッションウィークより

2024.03.13

2月26日から9日間の日程で2024-’25年秋冬パリ・ファッションウィークが開催され、100以上のブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見ブランドやトピックスをご紹介します。

イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)はパリのポルト・ドレ宮にある国立移民史博物館でショーを開催。

テーマは「What Has Always Been(昔からずっとあるもの)」。衣服を仕立てるのではなく、布を身体に纏うという本質的な行為を起点に発展させたコレクションです。

最初に登場したのは、アサガオのようなユニークな形の無縫製ニットのシリーズ。リブ編みとガーター編みを組み合わせて、生き生きとした有機的なフォルムに仕上げています。先シーズンから続く和紙素材のシリーズはさらりとした質感が特徴的で、裏側をあえてそのまま見せたニットシリーズは、製作過程で本来は不要となる「捨て糸」と呼ばれる部分をデザインに取り入れているのだとか。

今シーズンはダイナミックな色使いも印象的で、空の移ろいをイメージした手染めのグラデーションニットなども提案。ラストを締めくくったのは、異国の旅人を思わせるゆったりとしたドレスです。美しく揺れる軽やかなハンドプリーツが、プリミティブな空気を漂わせていました。

© 2024 ISSEY MIYAKE INC.
Runway looks: Frédérique Dumoulin-Bonnet
Text:B.P.B. Paris